【豪奢なエントリーグレード】メルセデス・ベンツGクラス G 400dへ試乗 怯まない贅沢

公開 : 2021.08.31 08:25

本格オフローダーの雄、メルセデス・ベンツGクラス。英国でエントリーグレードとなるG 400dの洗練度と能力を、英国編集部が評価しました。

充分に豪奢なエントリーグレード

執筆:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
メルセデス・ベンツGクラスは、長年強い支持を集めるオフローダーだ。その理由の1つが、信じられないほどの走破性や秀でた実用性と同居する、類まれなラグジュアリーさにある。

世紀末のような荒野を横断している最中でも、ドライバーはシートに内蔵された気持ち良いマッサージ機能でくつろげる。こんなクルマは、他に例を見ないといっても過言ではない。特定の人には強く響く、唯一の選択肢といえる。

メルセデス・ベンツGクラス G 400d AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデス・ベンツGクラス G 400d AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)

現在の第2世代となるGクラスは、2018年に発売が始まった。当初はG 350dが英国のエントリーグレードで、頂点にはメルセデスAMG G 63が君臨していた。

今回試乗したG 400dは、G 350dを置き換えるカタチで英国へ導入されたエントリーグレード。かといって、エントリーという表現はGクラスの中での話し。充分に豪奢な内容が奢られている。

価格も、普通の人にとってはエントリーとは感じにくい。G 400dの英国価格は、9万8525ポンド(1517万円)から。試乗車の場合はAMGライン・プレミアムプラスと呼ばれる仕様で、11万5995ポンド(1786万円)が付けられている。

とはいえ、585psを発揮するAMG G 63と比べればだいぶお手頃。向こうは、15万3995ポンド(2371万円)からに設定されている。

AUTOCARでは2019年にG 400dへ一度試乗しているが、まだ英国仕様は確定していなかった。今回が初めての英国一般道での評価となる。

71.2kg-mの最大トルクで流暢に走る

G 400dに搭載されるエンジンは、3.0L直列6気筒のターボディーゼル。従来のG 350dが搭載していたユニットを、チューニングしたものだ。

マルチチャンネルの排気ガス再循環システムと、可変バルブリフト・コントロールを採用し、最高出力330psと最大トルク71.2kg-mを獲得する。ちなみにG 350dでは、286psと61.1kg-mだった。

メルセデス・ベンツGクラス G 400d AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデス・ベンツGクラス G 400d AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)

G 350dでも力強く感じられたが、車重は2.5t近くあるから追加のパワーは歓迎できる。3.0L 6気筒ターボのパワーデリバリーは、低回転域から印象的なほどに滑らか。そのまま、高回転域まで変わらない。

トランスミッションは9速ATで、エンジンの出力特性との愛称は抜群。重いボディを感じさせないほど、流暢で漸進的にGクラスを走らせる。

かといって、ステアリングホイールを握っているドライバーは、G 400dの大柄なボディを忘れることはないだろう。全長は4817mm、全幅は1931mmもあり、英国や日本の入り組んだ道では取り扱いに苦労するはず。

ありがたいことにボディ形状はボクシーで、運転席からの視認性は素晴らしい。メルセデス・ベンツ自慢の運転支援システムもふんだんに搭載され、一般的な道なら驚くほどに運転しやすい。

今回はオフロード性能を確かめる機会はなかったものの、過去の試乗経験からして、疑問を挟む余地はないだろう。9速ATにはローレンジギアが付き、3段階のデフロック機能も備わる。ラダーフレームを踏襲している点も特徴だ。

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