【果敢なシューティングブレーク】キア・プロシードGT 1.6 T-GDiへ試乗 小変更

公開 : 2021.09.04 08:25

モデル中期のフェイスリフトを受けた、韓国キアのプロシード。上級ブランドへ挑むスタイリッシュなシューティングブレークを、英国編集部が評価しました。

適度にスポーティなシューティングブレーク

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
韓国のキアは、野心あふれる自動車メーカーだ。それを示すように、各セグメントで果敢な戦いを繰り広げている。長い歴史を持つドイツのプレミアムブランドに対しても、怯むことはない。

中でも特に注目を集める存在といえるのが、エグゼクティブサルーンのスティンガー。しかし今回試乗したプロシードも、ほかに埋もれることのない個性がある。

キア・プロシードGT 1.6 T-GDi(欧州仕様)
キア・プロシードGT 1.6 T-GDi(欧州仕様)

フォルムは、ハッチバックのシードをベースとした、大胆なシューティングブレーク。セグメントとしては、メルセデス・ベンツCLAシューティングブレークと並ぶところにある。

そんなプロシードがモデル中期のフェイスリフトを受け、リフレッシュが図られた。今回試乗したのは、最新プロシードの上級グレード、GTだ。

同じくフェイスリフトを受けたハッチバックのキア・シードと同様に、プロシードも見た目が一新されている。フロントマスクや灯火類のデザインが改められ、キアのロゴマークも新しいものに置き換わった。

走行性能にフォーカスされたGTグレードの場合、新デザインの18インチ・アルミホイールを履き、フロントやリア、サイドなどは赤いアクセントの入った専用ボディキットで飾られる。マフラーカッターも専用品になる。

適度にスポーティで、プロシードの中でも一味違う存在感を放つ。モデルラインに華やかさが追加されていることは間違いない。グレードによっては、LEDのデイタイムライトも標準になる。

1.6Lの4気筒ターボで203psと26.9kg-m

インテリアもわずかに手が加えられ、スマートさを高めている。上級グレードでは12.3インチのモニター式デジタルメーターに、10.25インチのインフォテインメント用タッチモニターが装備される。

システムのソフトウエアは、一部のブランドに準じるほどの洗練度とはいえないものの、ダッシュボードには実際に押せるハードボタンも残された。エアコンなどの主要な機能には、運転中でもすぐに触れることができて扱いやすい。

キア・プロシードGT 1.6 T-GDi(欧州仕様)
キア・プロシードGT 1.6 T-GDi(欧州仕様)

シューティングブレークのプロシードの荷室容量は、594L。充分広いが、よりボクシーなステーションワゴン、シード・スポーツワゴンの625Lには達していない。

フェイスリフトに合わせて、パワートレインの設定も見直された。GTグレードに搭載されるのは、ヒュンダイi20 Nにも搭載される1.6Lの4気筒ターボガソリン。最高出力203ps、最大トルク26.9kg-mを発揮し、7速デュアルクラッチATが組み合わされる。

低回転域から豊かなトルクを発揮し、フロントタイヤで滑らかにボディを牽引する。粘り強く、高速域でのクルージングもしやすい。スポーツ・モードを選択すると、人口サウンドが重なるものの、エンジン音が耳に心地良い。

しかし、デュアルクラッチATの動きはあまり好ましくない。クルマとの一体感を、充分には引き立ててくれないように感じた。

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