【クルマ好きの憧れの的へ?】アメリカ発「eマッスル」が変えるEVの価値観 

公開 : 2021.08.25 05:45

カマロやファイアバードも?

フォードはすでに、「マスタング・マッハE」でEV市場に参入済みだが、車両のイメージは従来のマッスルカーというより、高性能SUVという雰囲気にとどまっている。

また、フルサイズピックアップトラックFシリーズでハイパフォーマンスグレード「ライトニング」をEV化するという秘策に出ており、ここからの派生車としてフルサイズSUVのEV化に進展しそうだ。

フォード・マスタング・マッハE
フォード・マスタング・マッハE

キーポイントとなるのは、従来型2ドアマスタングのeマッスル化であり、そうした中で欧州メーカーとEVプラットフォームの共有化が気になるところだ。

一方、GMはGMCハマーを皮切りに、EVプラットフォームのアルティウムで中大型モデルでのEVシフトを展開することが明らかになっている。

その中で、eマッスル化の可能性は当然、シボレー「カマロ」が筆頭となる。

さらに、気になるのはファイアバードの復活だ。ブランドであるポンティアックはハマー同じく2000年代に消滅したが、eマッスルとしてGMCから再登場するといったサプライズを期待したい。

デトロイト3のeマッスル揃い踏みの時期だが、ダッジが2024年に第1弾を市場導入の予定であることから、これにあわせてフォードとGMが動くと見るのが自然だ。

そうなると、日本勢はどう対応してくるのか?

EV憧れの的に? 日本勢はどう挑む

日本勢でEVといえば、2010年代にリーフを、また今冬にはアリアを導入する日産のイメージが強い。

だが、昨今の日産の事業戦略の中で電動化は、エンジンを発電機として使うeパワーの拡充を優先している。

日産フェアレディZ
日産フェアレディZ    日産

先に公開された新型Zもスカイライン400R搭載の3リッターV6ツインターボを応用しており、電動化は次期モデル以降へ持ちこされた。

また、そろそろ次期GT-Rの青写真が社外に漏れてきそうな時期だが、次期Zを含めて現実的な電動化はEVではなくeパワーと考えるのが妥当ではないか。

これに対して、ホンダNSXS660を今年度中の生産中止を決め、また2040年までに全モデルEV/FCV化を宣言するなど、2020年代半ばから後半にかけてEVのeスポーツカー登場の可能性が高まっている。

そのほか、マツダでは2030年からの電動化戦略でロードスターが組み込まれていることをマツダ幹部が明らかにしているが、一気にEV路線は難しいとみるメディア関係者が多い。

マツダを含めて、スバルスズキダイハツは今後、トヨタ主導のEVプラットフォーム共用化を進めることになるが、見方を変えるとトヨタEV戦略の傘下でeスポーツカーや、日本版eマッスルが誕生することも十分あり得ると思う。

今、時代は大きく変わり始めており、近い将来、クルマ好きにとってEVが憧れの的になる日が訪れるかもしれない。

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