【コンセプト第二弾】アウディ「グランド・スフィア」 9月2日公開予定 A8の後継モデル
公開 : 2021.08.25 18:25
A8の後継と目される新型コンセプト「グランド・スフィア」がミュンヘン・モーターショーで公開されます。
スフィアシリーズ第二弾
アウディは、新型コンセプトカーの「グランド・スフィア」を9月2日にミュンヘン・モーターショーで公開すると発表した。
グランド・スフィアは、同ブランドが制作する3台の「スフィア」シリーズのうちの1台で、後にA8の後継となる高級フラッグシップEVのコンセプトである。市販モデルは2024年に公開され、翌年初頭に発売される予定だ。
アウディのデザイン責任者であるマーク・リヒテはAUTOCARに対し、グランド・スフィアは「プロジェクト・アルテミスの非常に具体的な予告」となり、室内空間に焦点を当てた「デザインの革命」を披露することになると述べた。
「わたしはデザインチームに、A8後継モデルのビジョンではなく、まったく新しいものを求めました。A8、BMW 7シリーズ、メルセデス・ベンツSクラスなどの3ボックスセダンの販売台数は減少しており、より魅力的な新しいボディスタイルが登場しています」
「正直なところ、わたし達のA8よりもSクラスの方がずっと成功していると思うので、Sクラスを攻めるためには全く新しいものを考えなければなりませんでした。その結果がこれです」
ハイテク満載の次世代EV
プロジェクト・アルテミスは、完全EVかつ自動運転が可能な新世代のアウディモデルを支える、新しいプラットフォームとソフトウェアの開発を行っている。
これは、eトロンGTやQ4 eトロンなどの最新のアウディEVの次の大きな技術ステップとなる。
プロジェクト・アルテミスは、これらの自動運転システムの恩恵を受けられるグランドツアラーの開発を担当していた。
Landjet(ランドジェット)というコードネームで開発されたプロジェクト・アルテミスの市販モデルは、A8の後継として構想されており、メルセデス・ベンツの新型電動高級セダン「EQS」の対抗馬となる予定だ。
ランドジェットという名前は、プライベートジェットのような「ファーストクラス」の豪華さを提供するインテリアに重点を置いていることを意味しているようだ。
アウディは当初、A9の名称を使用することも検討したが、従来のセダンやSUVとは根本的に異なる新型車であることから、新たな命名規則の導入を決定した。
ランドジェットは、フォルクスワーゲン・グループとしては初めて、主流のMEBとパフォーマンスに特化したPPE EVプラットフォームの要素を組み合わせた先進のSSPプラットフォームを採用することになる。また、同グループの社内ソフトウェア部門であるCariadが開発した先進的な新しいVW.OSソフトウェアパッケージを採用する。
また、ユニファイド・セル・バッテリー技術をいち早く採用するモデルでもあり、WLTPテストサイクルで約600kmの航続距離を実現する。さらに、800Vシステムが採用され、超高速充電器から最大350kWの充電にも対応すると考えられている。
アウディは、このモデルの性能や出力について、まだ詳細を明らかにしていない。
関連するフォルクスワーゲンのトリニティ・コンセプトと同様に、その高度なソフトウェアは、多くのセンサーやコネクティング機能と連動して、高度な自動運転を可能にする。
プロジェクト・アルテミスは昨年初めから、ポルシェのモータースポーツ・プログラムの元代表であるアレックス・ヒッツィンガーが運営していたが、アウディのテクノロジー責任者であるオリバー・ホフマンが社内に持ち込んだことで、その指揮を執ることになった。
こうした動きは、開発チームが量産に適さないアイデアを追求しすぎていたことなどから、グループの経営陣がプロジェクトの進捗に懸念を抱いていると報じられたことを受けてのものだ。