【トヨタ・ヤリス】これほどまでに売れたワケ ヤリスに吹いた3つの「追い風」

公開 : 2021.08.27 05:45  更新 : 2021.10.09 23:42

トヨタ販売体制変更も要因に

最後の「ヤリス」ヒットの理由は、トヨタの販売力強化だ。

トヨタは昨年5月より「全販売店での全車種販売」をスタートさせた。

トヨタ・ヤリスシリーズ
トヨタ・ヤリスシリーズ    トヨタ

従来までのトヨタは「トヨタ店」、「トヨペット店」、「カローラ店」、「ネッツ店」という4販売店体制を敷いていた。

そして、「プリウス」などの例外もあったが、基本的にそれぞれに専売車種を売っていたのだ。

例えば「クラウン」は、基本的に「トヨタ店」で売っており、他では買えなかった。「ヤリス」も、基本的に「ネッツ店」だけでしか売っていないモデルであった。

しかし、5月より、どの販売店であっても、すべてのトヨタ車を売ることができるようになった。

販売の現場から見れば、同じ車種を扱うライバル店が増えたことになるが、ユーザー的には、どこでも好きなトヨタ車が買えることを意味する。

そうした結果、競争が厳しくなるのにあわせ、人気車種がこれまで以上に売れるようになった。

その結果、2020年のトヨタの登録車の販売で、国内シェア50%を突破した。

2020年の登録車の国内販売台数や288万台のうち、トヨタは約145万台(一般社団法人日本自動車販売協会連合会しらべ)であった。

ちなみに、2019年は約47%、2018年は約45%だ。この数字は、過去最高となる。

それだけ、トヨタの販売力はアップしており、それが「ヤリス」の好調さの一因となっているのだ。

そもそも「ヤリス」は、欧州でもヒットするなど、商品力の高さは定評がある。

それに、「ヤリス・クロス」という助け、ライバルの価格アップ、トヨタ全体の販売力アップという、数多くの追い風を得ている。

その結果が、「ヤリス」の快進撃となったのだろう。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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