【ホットハッチxSUV】ヒュンダイ・コナNへ試乗 280psのFF i30 Nに近い動的性能

公開 : 2021.09.06 08:25

ヒュンダイのコンパクト・クロスオーバー、コナに高性能版のNが登場。現代版ホットハッチと呼びたいと、英国編集部は仕上がりの良さを評価します。

ホットハッチのi30 Nに近い動的性能

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
マイルド・ハイブリッドから純EVまで、クロスオーバーのヒュンダイ・コナのラインナップは人気を象徴するように幅広い。加えてヒュンダイは、パフォーマンス部門のNを冠するモデル拡大に努めている。今回試乗したコナNの登場は、当然のことだった。

根っからのクルマ好きにとって、高性能なクロスオーバーの登場は喜べるニュースではないかもしない。しかし、SUVは売れている。経営的にも理論的にも、理にかなったモデルではある。

ヒュンダイ・コナN(英国仕様)
ヒュンダイ・コナN(英国仕様)

実際、フォルクスワーゲンTロックにRを追加し、フォードはプーマにSTを追加した。ヒュンダイも、同じ土俵に混ざりたいと考えても不思議ではない。

車高の高いSUVで、パフォーマンスを求めることは難しい。ヒュンダイのパフォーマンス車両開発を取り仕切るアレックス・アイヒラーによれば、「可能な限りホットハッチのi30 Nに近い動的性能を与えること」を目標にしたという。

その結果は、コナNを運転すれば明確に理解できる。ポジティブな面もあるが、ネガティブなところも少しある。

見た目では、コナN専用のメッシュグリルに19インチ・ホイール、ピレリ社製のタイヤ、極太のツインエグゾーストなど、やる気に満ちている。穏やかなファミリー・クロスオーバーの、通常のコナとの差別化は充分だろう。

少し可愛らしさも残る。だが、そのボディの内側に隠されたアグレッシブさも、存分に漂わせている。肉食の小型動物のようだ。

280psの4気筒ガソリンターボで前輪駆動

見た目はコナとの関係性が濃いが、シャシーまわりはホットハッチのi30 Nに近い。もちろん、単にボディを載せ替えたような内容とは違う。ボディはコナの方が約130mmも短く、100mm以上も高い。

剛性を高めるため、ボディシェルは溶接ポイントが増やされ、電子制御のサスペンションはチューニングし直されている。エンジンマウントは強化され、パワーステアリングのレスポンスも高められた。

ヒュンダイ・コナN(英国仕様)
ヒュンダイ・コナN(英国仕様)

2.0Lの4気筒ガソリンターボ・エンジンは、i30 Nと共有。最高出力も同じ280psを発揮する。背の高いホットハッチであることを証明するように、駆動輪はフロントのみ。四輪駆動ではない。

現在英国で選べるコナNに組まれるトランスミッションは、8速デュアルクラッチATのみ。恐らく、クロスオーバー市場に合わせた設定なのだろう。MTは選べない。

センターコンソールのシフトセレクターの横には、レバー式ハンドブレーキが付いている。オールドスクールに、シャープな180度ターンを決めるきこともできそうだ。

インテリアは、実用性はそのままに、高められたパフォーマンスを巧みに主張する。ドライビングポジションはやや高めで、リアシートは広々。充分な大きさの荷室があり、全方向で視界は良好だ。

質感の良いダッシュボードにはタッチモニターが据えられる一方、実際に押せるハードボタンも残っている。メーターパネルもモニター式となり、Nモデルとしては初めてヘッドアップ・ディスプレイも備わった。

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