【ようこそ2代目】さよなら初代 トヨタGT86へ再試乗 最高のドライバーズカー 前編
公開 : 2021.09.09 08:25 更新 : 2021.09.13 07:41
登場以来のお気に入りのモデル
「より重いスープラでは、得られていないものです。GT86のシャシーがいかに優れているのか、確かめることができました」。筆者はGRスープラも好きだ。でも、フロントの軽い4気筒仕様でも、GT86の備える身軽さには届かない。しかも価格も高い。
ここ10年ほど、トヨタGT86とスバルBRZに対するわれわれの評価は一貫していた。しかし、お別れの日が来た。英国のスバルはすでに、2020年にBRZの販売を止めている。トヨタのディーラーからも、2021年になって姿を消した。
登場以来、ずっと筆者の大のお気に入りモデルだった。沢山の素晴らしい体験もさせてくれた。
トヨタの社長、豊田章男氏へインタビューをお願いすると、レーシングスーツを着たまま応じてくれた時もあった。いかにも彼らしい。GT86の開発に当たって会計士と交わしたやり取りを、冗談交じりに話してくれたこともあった。
もしGT86が100万台売れたら、会計士とのより良い関係性を築けていたかもしれない。実際は、限られた生産台数で実現するために、技術者には多くの創造性が求められた。そのおかげか、近年のトヨタの業績はご存知のように調子が良い。
前置きが長くなったが、新型GR86の英国上陸も秒読み段階にある今、最後の初代GT86へ試乗してみたい。2017年にフェイスリフトを受けた後期仕様で、インテリアの質感が向上し、ボディへわずかに手が加えられている。
この続きは後編にて。