【大問題に】高級車カーシェア投資の顛末 ギュウギュウ1000坪の駐車場、もぬけの殻に
公開 : 2021.09.01 11:55 更新 : 2022.03.25 18:49
問題が浮き彫りに 同社のその後は
埼玉県川口市にある1000坪もの大規模駐車場、通称「昭和カートン」にギュウギュウに詰められた数百台の高級車の映像や写真を覚えている方もいらっしゃるだろう。
2018年春にスタートしたスカイカーシェアの事業は順調に投資者を増やしていたが、ちょうど1年前の今頃、2020年8月下旬にほとんどの投資者への入金(車両購入のローン費用、自動車保険料、謝礼など合計で10万円前後)が止まった。
不審に思う投資者に対して運営会社は「9月に2か月分まとめて入金します!」と説明。
グループのトップが資金繰りに東奔西走していた頃で、大手中古車関連企業からの融資を獲得するためにPRタイムズ等に高級車カーシェアに関するアンケート記事を掲載してメディアを使った様々な仕込みをしていた時期でもある。
しかし、結局、どこからも融資は断られ、投資者への9月(+8月)の入金もなく事業停止を決定。
10月8日に投資者に向けてトップの上ノ山氏からダイレクトメールで事業停止とそれに関するお詫びが送られた。
11月~12月にかけて、グループ会社含む合計8社が東京地方裁判所により破産手続開始決定を受けた。
事業停止から10か月。川口市の大規模駐車場にとめてあった大量の高級車たちは、その後どうなったのだろうか?
数百台の高級車、すべてが消えた
駐車場近くに住む投資者からは「2〜3月はまだ結構クルマが残っていましたが、今年春頃から急激に車両が減ってゆきました」と聞いていた。
筆者は大規模駐車場である通称「昭和カートン」を訪れてみた。
広大な駐車場にメルセデス・ベンツやBMW、レクサスなどシェア車両として運用されていた高級車の姿は全く見られず。
スカイカーシェアとは関係のない会社のトラックや乗用車で駐車スペースが埋まり始めていた。
当然だが、それぞれの駐車場契約者が普通にクルマの出し入れをおこなうため、すし詰め状態ではなく、安全に出入りできるようゆったりとした間隔の駐車スペースとなっていた。
投資者に駐車場代金の請求せず
駐車場を管理する不動産会社に事情を聞いた。
「駐車場代の入金は9月まではありましたが、10月以降はなかったですよ」
「12月まではなんとか敷金などを充当して処理をしていました」
「それ以降、今年に入ってから6月までも事業破綻で投資被害に遭った方々が大勢いるという事情を考慮して、地主さんの厚意で被害にあった投資者(車両オーナー)の方々に駐車場代金の請求をすることはありませんでした。特殊な事情でしたからね」
「管財人も入っていましたが、地代を払う余裕がないとのことでした。結局、100%退去がおこなわれるまで8か月かかりましたね」
「1台だけBMWが残っていますが、こちらは所有者を確認して所有者の了解を得て廃棄処分となる予定です。廃棄するにもお金がかかりますがいつまでも置いておくわけにいきませんからね」