【意外なほど運転が楽しい】トヨタ・ヤリス・クロスへ英国試乗 強力なメンバー登場
公開 : 2021.09.16 08:25
質感の良いスマートで機能的なインテリア
燃費効率は優れている。電気モーターで連続して走れる距離は数kmといったところだが、穏やかに市街地を流していると、電気モーターだけの時間も比較的多い。試乗車の場合、19.8km/Lの燃費と、117g/kmのCO2排出量がうたわれる。
乗り心地にはしなやかさがあるが、ダイナミック・グレードの履く18インチ・ホイールのおかげで、硬いと感じる境界線。ユーザーの殆どは、16インチか17インチのホイールを選ぶだろう、と英国のトヨタは考えているようだ。
インテリアは、スマートで機能的。素材の質感も良好だ。インフォテインメント・システムも、大幅に改善されている。9.0インチのタッチモニターがこのグレードの標準で、表示は明瞭で直感的に操作できる。
加えて、実際に押せるハードボタンもエアコンなど主要なインターフェイスに残されている。こちらも評価したい。荷室容量は、このクラスでは大きいといえる360L。でも、日産ジュークより小ぶりではある。
リアシートの空間は、大人には限定的。若いカップルや結婚したての夫婦など、コンパクト・クロスオーバーのターゲット層には不満のない広さとはいえる。
訴求力ある選択肢が新登場
英国仕様のダイナミック・グレードには、18インチ・ホイールのほかに、ルーフがブラックになる2トーン・ボディも与えられる。インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも対応。前席にはヒーターも内蔵される。
エントリーグレードでも、バックカメラやアダプティブ・クルーズコントロールなどが標準装備。モデルを通じて、ヤリス・クロスの装備は充実している。
ドライビング体験のダイナミックさで、競合のクロスオーバーに勝ることはないと思う。実用性の面でも、平均的な水準だ。しかし大胆な見た目と感心する燃費性能、高品質なインテリアが備わり、実力は充分。運転も、楽しいと感じさせてくれる水準にある。
昨今のコンパクト・クロスオーバーは競争が激しい。訴求力ある選択肢が、新たに登場したといえるだろう。
トヨタ・ヤリス・クロス・ダイナミック(英国仕様)のスペック
英国価格:2万6465ポンド(396万円)
全長:4180mm
全幅:1765mm
全高:1560mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:11.2秒
燃費:19.3-20.0km/L
CO2排出量:112g/km
車両重量:1175kg
パワートレイン:直列3気筒1490c自然吸気+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:115ps/5500rpm(エンジン)/80ps(フロントモーター)
最大トルク:11.8kg-m/3600-4800rpm(エンジン)/14.3kg-m(フロントモーター)
ギアボックス:CVT