【トップグレードに格上げ】ポルシェ・マカンGTSへ試乗 2.9L V6ツインターボで440ps
公開 : 2021.09.13 08:25
人気の中型SUV、マカンがマイナーチェンジ。MC前のマカン・ターボと同じエンジンを搭載し、440psを獲得したGTSを英国編集部が評価しました。
2023年まで新鮮さを維持する
ポルシェは、それぞれのモデルを大切に育てることが多かった。大きなアップデートを何度も繰り返しながら、モデルの特長を保ってきた。
オリジナルのポルシェ911は、1964年から1989年まで、901型から930型へ改良を加えながら作られ続けた。FRの928も、1978年に登場し1995年まで生産が続いている。だが近年のポルシェは、7年のモデルサイクルを与える傾向があるようだ。
ところが、現行のマカンの登場は2014年。ポルシェの経営は順調で、すでに7年が経過しているにも関わらず、マイナーチェンジが施された。
その理由は、2023年に純EVとなる新型マカンが登場するから。あと2年、新鮮さを保つ必要がある。現行の内燃エンジンを積むマカンも、純EVのマカンと並行して2024年までは売られるらしい。
ポルシェらしく、見た目的なフェイスリフトは控えめ。わかりやすい違いは、水平基調が強められたフロントバンパーだろう。ウインカーが上方へ移動している。LEDのヘッドライトも標準装備になった。
GTSの場合は、ボディ同色に塗られたリップスポイラーが付き華やか。リアバンパーは大きくえぐられ、ディフューザーが主張を強めている。
車内を観察すると、センターコンソールに並んでいたスイッチ類は、タッチセンサーのパネルに置き換えられている。光沢が強く指紋が残りやすい。フォルクスワーゲン・グループによるハードボタン排除の動きは、マカンにも及んだらしい。
旧ターボの2.9L V6ツインターボを獲得
タッチセンサーは目新しいし、触覚的なフィードバックも与えられ、使いやすそうに思える。だが実際に触れてみると、扱いやすさでは進歩していない。
インフォテインメント・システムもアップデート。実際に押せるハードボタンは、一部が姿を消したが、まだ少しは残っている。最新のフォルクスワーゲン・グループのものと比べれば、操作しやすいといえる。
インテリアデザイン全体の見た目に、最新感は薄い。だが、素材は充分に一流の水準だ。
シフトレバーは従来的なタイプ。付け根部分のレザーカバーがなくなり、樹脂が露出した仕上げになった。試乗車の、赤に塗装されたエアコンの送風口はオプション。好みが分かれそうだ。
今回のマイナーチェンジで重要な部分が、メカニカルな変更。マカンSとGTSがパワーアップした反面、従来まで選べたマカン・ターボはラインナップから外された。
新しいGTSは、従来のターボに積まれていた440psの2.9L V6ツインターボエンジンを獲得。マカンSには、従来のGTSに載っていたV6ユニットがスライドしている。
エントリーグレードの通常のマカンには、変わらずゴルフGTIにも積まれる2.0L 4気筒ターボが組まれる。新しいターボを獲得し、最高出力は20ps増強され264psになった。
シャシーでは、従来までオプションだったエアサスペンションがGTSで標準装備に。車高は従来のGTSと比べて10mm低くなり、フロントで10%、リアで15%、バネ剛性が高められている。
パーク・アシスト機能も搭載する。お望みなら、半自動で駐車をこなしてくれる。