【未来のA8現る】アウディ グランド・スフィア・コンセプト公開 自動運転の高級サルーン
公開 : 2021.09.03 21:45 更新 : 2021.09.06 04:42
すっきりとしたインテリアデザイン
特筆すべきは、画面やダイヤルなど物理的な操作系が一切存在しないことである。グランド・スフィアのデザイナーは、「デジタル・デトックス」を目指したという。
メインのフロントディスプレイの下に設置されたセンサーバーにより、タブを瞬時に切り替えることができ、ロータリー式のMMIタッチボタンでメニュー操作することができる。また、完全自動運転時には、視線やジェスチャーで同様の操作を行うことができる。
さらに、乗員の好みを学習し、最終的には1人1人に「パーソナルな提案」を行うことができるという。
全長5350mm、全幅2000mm、ホイールベース3190mmと、ロングホイールベース版のA8よりもはるかに大きいサイズだが、アウディは、従来のセダンというよりも4ドアGTカーであり、「風洞実験から生まれた」流麗なシルエットを強調している。
そのため、EVでありながら長いボンネットを持ち、リアは空力性能を高めるために流線型になっている。量産モデルにどれだけ反映されるかは不明だが、奇抜なデザインの23インチホイールがなくなることはほぼ間違いないだろう。
自動運転を楽しむという考え
グランド・スフィアは、ポルシェと共同開発したPPEプラットフォームを採用している。PPEは、来年発売される新型Q6 eトロンとマカンEVにも採用される。最大270kWの急速充電が可能な120kWhバッテリーを搭載し、航続距離は750km以上、パワートレインはツインモーターの4輪駆動で、最高出力720ps、最大トルク97kg-mを発揮する。
理論的には、0-100km/h加速を4.0秒強でクリアできるが、エネルギーを維持するために最高速度は制限されている。
アウディは、「駆動システムとハンドリングはもはや設計における優先事項ではない」と認めているが、AUTOCARが「自動運転可能なクルマは走り好きのドライバーにとって魅力的か」と質問したところ、戦略部門の責任者であるフィリップ・グンデルトは次のように答えた。
「わたし達は、乗員やドライバーに選択の自由を与えることを非常に重視しています。このクルマは自動運転に重点を置いていますが、もちろん、フィーリングと密接なつながりは維持したいと思っています」
また、乗員は「運転されることを楽しむ」のか、「自分で運転する」のかを決めることができると述べた。
グランド・スフィアには、後輪操舵、アダプティブダンパー、カメラ制御アクティブ・エアサスペンションなどが採用されているが、これらはサイズが大きくてもダイナミックな機動力を保つためのものだ。