【自律運転ワーゲンバスを開発中】フォルクスワーゲンID.バズ 2025年の運用開始を目指す
公開 : 2021.09.06 08:15
フォルクスワーゲンは、2022年に発表予定のID.バズを利用し、アルゴAI社の技術を搭載した自律運転車両を開発中。ミュンヘン・モーターショーでお披露目されました。
モイア社で2025年の運用開始を目指す
フォルクスワーゲンは、自律運転を得意とするアルゴAI社の技術を搭載した、純EVのMPV、ID.バズのプロトタイプを発表した。
初代フォルクスワーゲン・タイプ2を彷彿とさせる、レトロなデザインが特徴となるID.バズ。ドライバーが運転する通常のタイプは、乗用のミニバンと商用バンをラインナップし、2022年の発表が予定されている。
2021年のミュンヘン・モーターショーで発表されたのは、ID.バズの自律運転仕様だ。北米のアルゴAI社が開発した自律運転に対応するため、複数のカメラとライダー(レーザーセンサー)、レーダーセンサーを搭載している。
自律運転のID.バズ・プロトタイプは、アルゴAI社が欧州拠点を構えるミュンヘンを含む、複数の都市でテストを開始済み。2030年までに、フォルクスワーゲンは収益の15%がカーシェアやライドシェアなど、モビリティ・サービスで得られると見込んでいる。
フォルクスワーゲン・グループは、ライドシェア・サービスを展開する、モイア・ライドシェア社を子会社に有する。2025年以降、モイア社が自律運転仕様のID.バズを運営する最初の企業になるようだ。
「自律運転は、過去に例がないほど業界を一変させるでしょう」。と話すのは、フォルクスワーゲン・グループCEOのヘルベルト・ディース氏。新しい雇用や派生製品の創出など、業界の規模を従来の2倍に拡大するだろうとも付け加える。
400m離れた場所の物体も検出可能
アルゴAI社のシステムは、カメラやライダーなどの装置で取得するデータから、車両の周囲360度のデジタルマップを作成。400m以上離れた場所にある物体も検出可能で、歩行者や自転車、自動車などを判別し、動きを予想する。必要に応じて自車両を制御できる。
「世界ベストのドライバーを生み出すことです」。と開発目標を話すのは、アルゴAI社のCEOブライアン・サレスキー氏。「自律運転には、(人間のように)疲れることも、気が散ることもありません」
「常に360度、100mの距離へ注意を配り、学習と改善を重ねるコンピューターを搭載しています。人間のドライバーでは、同じことはいえないでしょう」
開発で焦点を当てているのが、都市部の複雑な道路。当初は、最も需要が多い条件だと想定していることが理由だ。そこから、郊外の地域へ展開されるだろうとしている。沢山のクルマがある場所でビジネスを展開することは、理にもかなっているという。
ID.バズは、箱型の比較的大きなボディを採用しているため、人を載せるミニバンや、商用の貨物バンの自律運転モデルとしても対応が容易。ディースCEOは、人を運ぶクルマを「ロボシャトル」と呼んでいたが、実際に適用されるのだろうか。