ボルボ、空気注入式チャイルドシートを公開
公開 : 2014.04.15 20:40 更新 : 2017.06.01 02:13
ボルボは、画期的な技術を用い、軽量で後ろ向きに装着するタイプのインフレータブル(空気注入式)チャイルドシートを考案した。安全性に優れ、簡単に折り畳めたり、持ち運ぶことができるこのシートは、これまでのチャイルドシートでは使用することが難しかった状況下でも使用できるように設計されているという。
米ロサンゼルスにあるボルボ・モニタリング・アンド・コンセプト・センターのデザインマネージャーで、今回のシートの考案者でもあるローレンス・アベレは、自分の二人の子供を頭に描きながら設計し
たという。
「私にとって、子供の安全は何よりも重要です。海外で暮らしていたころ、子供達はまだよちよち歩きで、私たちはどっしりとしたチャイルドシートを引きずるようにして空港の中を歩き、タクシーに乗せて移動していました。多くの親にとって、幼い子供達と移動するのは大変です。少しでも両親の負担が軽減されれば、それは素晴らしいことです」と語った。
このチャイルドシートは持ち運びがとても楽で、これまでは難しかったことも可能となる。例えば、祖父母や、友人が子供の面倒をみてくれる時も、機動力に優れたこのシートが重宝する。また、これまでタクシーやレンタカー、バスで移動する時には、そこに備わっている安全装置を利用するしかなかったが、そうした交通手段を使う時も便利に使用できるように設計されている。
このインフレータブル・シートには、静かで効率的な新しいポンプ・システムが搭載されている。シートが膨らむまでに40秒もかからず、またチャイルドシートに組み込まれた一体型のポンプによって折り畳むことも可能。総重量は5kg以下で、最近のチャイルドシートと比べても半分の重さだ。また、Bluetooth が搭載されているため、リモコンでシートを膨らませることが出来るなど、さまざまな機能を持っているという。
ボルボ・モニタリング・アンド・コンセプト・センターのプロジェクトマネージャー、マリア・ハンソンは、シートの素材に関して、「ドロップステッチ・ファブリックという特別な素材を使って、試作品を作りました。シートが膨らむ際、非常に強い内圧がかかるため、この素材を選びました。これはボート業界では広く使われている技術で、元々は軍の開発段階における膨張式飛行機の技術を活用して開発されたものです」とコメントしている。
また、このインフレータブル・チャイルドシートは後ろ向きに装着するが、子供にとってはこれが一番安全なスタイルだ。最低3〜4 歳までは後ろ向きに座ることが重要だとボルボはコメントしている。
「本来ならば、全員後ろ向きに座る方が良いのですが、現在の車の構造では、それは無理です。しかし幼い子供達は後ろ向きに座らせることができますし、できるだけ大きくなるまでそうすることが必要です」また、「このコンセプトの目的は、安全なシート、現在市場に出回っているどのシートよりも安全なチャイルドシートを設計することでした。しかし二番目の目的は、子供達を含めあらゆる人に、『素晴らしいデザイン』に毎日触れてほしい、ということです」とアベレは語っている。