【1930年代の最速マシン】アラード・テールワガーII フラットヘッドV8搭載 前編
公開 : 2021.09.26 07:05 更新 : 2021.10.14 16:02
エンジンは始動せずリビルドを決意
ちょうどその頃、くたびれたフォード・ポピュラーに乗るデス・ソワービーが、付近を通学路としていた。偶然そのガレージへ興味を抱き、定期的に立ち寄っていたという。
ソワービーが振り返る。「何度も顔を見せるうちにオーナーとの信頼関係を築け、彼は他のクルマも見せてくれました。モーリスは、何年もかけて多くのクルマを集めていました。その中に、カバーの掛けられたアラードを発見したんです」
「当初はMGを探していましたが、ワイルドなマシンへ強く惹かれました。提示された金額は1000ポンド。当時はそんな大金は準備できませんでしたが、お金が貯まるまで保有すると、彼は約束してくれたんですよ」
ウェールズ南部へ引っ越した頃に資金が貯まり、ソワービーはトレーラーを駆りてアラードを運搬。遂に手に入れたFGP 750だったが、多くの課題もはらんでいた。
「走行可能という話しでしたが、エンジンは始動せず。コアプラグがなかったんです。エンジンを下ろして修理を試みても動かず、完全なリビルドを決めたんです」。ソワービーが説明する。
仕事が忙しくなりプロジェクトは進まずにいたが、最終的にアラードはノースイースト・レストレーション・クラブ社へ入庫。シャシーは裸にされ、サンドブラストが掛けられた。徐々に、レストアが進んでいった。
「ロンドンへ仕事で引っ越したのですが、そこでアラードの第一人者、ジョン・パターソンと出会いました。彼は、大きな助けとなりました」
この続きは後編にて。