【80%は日本が輸入】MG RV8 英国版中古車ガイド 3.9L V8のブリティッシュ・スポーツ
公開 : 2021.09.20 08:25 更新 : 2021.10.15 13:25
専門家の意見を聞いてみる
ウィリアム・デ・ラ・リヴィエール:ビーチ・ヒル・ガレージ社代表
「MG RV8は、フリルの付いたレザーシートに、ウッドパネルのダッシュボードを備えた、ラグジュアリーなモデル。多くのオーナーが屋根付きのガレージに保管し、晴れた日にしか運転していません」
「エンジンとトランスミッションは信頼性が高いですし、亜鉛メッキされたボディも錆びにくい。組み立て品質も高いといえます」
「もしパワーが欲しいなら、英国にはECUのリマッピングをしてくれる店もあります。400ps近くまでは可能なようですが、リーフスプリングのリアサスは、そこまでのパワーを受け止めきれません」
「著しく安い例には注意が必要でしょう。先日、同僚が掘り出し物を見つけたといって、安いRV8を購入しましたが、まだ修理は終わっていません。すべてのRV8が、大切にされてきたわけではないようです」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
低圧と高圧の潤滑系統の状態を保つため、少なくともエンジンオイルは毎年交換したい。粘度は10W-40で、半合成以上の高品質なオイルが良いだろう。購入前にエンジンオイルの状態チェックは忘れずに。
エンジンを始動して、エグゾースト・マニフォールドからの排気漏れがないか確認する。
冷却系
アルミ製のエンジンだから、腐食を防ぐためにも高品質なクーラントが不可欠。オーバーヒートは避けたい。アイドリング状態で、温度が上昇しすぎないか確認する。
吸気マニフォールドのボルトから、クーラントが滲んでいないか確かめる。エキスパンション・タンクや、ラジエターの下部が湿っていないかも確認したい。
トランスミッション
可能なら、牽引された過去がないか確かめたい。トランスミッション内に牽引状態では動作しないフルードポンプがあり、長距離牽引してしまうと内部を破損する恐れがある。
クワイフ社製のLSDは、フルードの状態を確かめたい。推奨品はシルコリン社の全合成で、75W-90 GL5という、トランスミッション用フルードだ。
ステアリング、サスペンションとブレーキ
ステアリングラックのマウントにヒビがないか検査したい。サスペンションのスプリング、ショックアブソーバー、ブッシュ類の劣化状態も確かめたい。多くのMG RV8は、アップグレードされているようだ。タイヤの製造年もチェックポイント。
ボディ
フロントガラス周辺のピラーの付け根などに、サビが浮いていないか確認する。ソフトトップの劣化具合も確かめたい。
インテリア
シフトノブの状態を確かめる。多くの場合、木製ノブに交換されているようだ。ダッシュボードは日光でヒビ割れしやすい。レザーシートのクリーニングなど、ある程度コストを見ておいた方が気持ち良く乗れるはず。