【エンジンが高値】フェラーリの車両、アイテムも出品 ヤフーで4回目のBHオークション

公開 : 2021.09.09 22:45  更新 : 2021.10.11 10:52

クラシック・フェラーリのエンジンが3基、BHオークションで高額落札。車両からメモラビリアまで幅広く出品された競売を解説します。

IGコレクション/軽井沢コレクションとは

執筆:Kazuhide Ueno(上野和秀)

BHオークションによる「コレクションカー・オークションNo.4」が、開催された。

第4回目となる今回も、ヤフーオークションを舞台に入札を受付け、バラエティに富んだモデルたちが集められた。

(上)2000万円で落札された2011年フェラーリ599 HGTE(下)オリジナルを保つフェラーリ308GTB(1977年)は、入札が1時間延長へ。
(上)2000万円で落札された2011年フェラーリ599 HGTE(下)オリジナルを保つフェラーリ308GTB(1977年)は、入札が1時間延長へ。    BHオークション

また手ごろな価格の出品車も用意され、オークションを一般レベルに浸透させることに貢献している。

ハイライトとなるのは、軽井沢在住のコレクターが放出する「軽井沢コレクション」。さらに、北海道のミュージアムにあったフェラーリのエンジンやF1パーツなどの「IGコレクション」だ。

「軽井沢コレクション」では、かつて松田コレクションにあったフェラーリ599 HGTEや、世界限定239台生産のアストン マーティンヴァンテージV550が目を引く。

様々な車両が12台と、二輪車は未使用のロードレーサーが2台、F1パーツやモデルカーなどのメモラビリアが18点、合計42点が出品された。

今回のオークションでは最低落札額の設定はなく、他の入札者がいなければスタート価格で落札できる可能性もあるだけにコレクターの注目を集めた。

フェラーリ308GTBの欧州仕様

1円スタートのメモラビリア8点は、開始と同時に入札が続きヒートアップ。

またフェラーリ599、308GTB、マツダ・コスモ・スポーツも開始直後に入札されている。

1977年フェラーリ308GTB(1307万4598円)
1977年フェラーリ308GTB(1307万4598円)    BHオークション

最終的に四輪車で落札されたのはフェラーリ599、フェラーリ308GTB、マセラティグランスポーツ、マツダ・コスモ・スポーツの4台だけで、残りの8台は入札がなかった。

多くの入札を集めたのがフェラーリ308GTBだ。

オリジナルでコンディションが良く、人気のヨーロッパ仕様とあって、1時間もの延長バトルの末に1307万4598円で決着がつく。

二輪車で人気を集めたのが1980年ヤマハTZ500で、500万円からスタートして528万1100円まで上昇。未使用の新車であるあることが評価された結果といえる。

F40、250GT、512BB 各エンジンが落札

今回のオークションで注目すべき値上がりを示したのが、フェラーリのエンジン3基だった。

F40用のF120型エンジンは、750万円からスタートして851万9700円まで上昇して落札。

フェラーリF40用F120A型エンジン(851万9700円)
フェラーリF40用F120A型エンジン(851万9700円)    BHオークション

250GTの初期型に搭載されていたインサイドプラグの124D型エンジンは、312万5000円でスタートしたが、終了直前からバトルが始まり、870万5301円で決着がついた。

一方、512BB用のF102型エンジンは250万円からのスタートだったが、こちらは早々に決着がつき250万3300円に留まった。

フェラーリの旧いエンジンは、日本ではほとんど流通しないため入札が集中したと思われる。この落札額からもクラシック・フェラーリのすべてが高騰していることが分る。

メモラビリアではフェラーリF1のパーツ類は、現在の相場より高いスタート額だったため、ほとんどが流れてしまった。変わったところでは、フェラーリF1をモチーフにした便座が人気を集め11万550円まで値を上げた。

フェラーリ公認のアマルガム製1/8スケールモデルのF399は、定価で約120万もして1円スタートだったため、激しい応札が続き4時間の延長の末、77万1101円で落札される。

車両の落札こそ低調だったが、エンジン、パーツ類、モデルカーが大きな注目を集め、日本のファンも層が厚くなってきたことを感じさせる結果となった。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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