【古き良き英国の伝統】デイムラー・マジェスティック 英国版クラシック・ガイド 前編
公開 : 2021.10.02 17:05 更新 : 2021.10.12 16:22
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エンジニアとして活躍したピーター・ブリストウは、1967年に1961年式マジェスティック・メジャーを手に入れた。「その時すでに、完全に錆びていました」。と購入時を振り返る。
「その頃は溶接工として働き始めたばかりで、新しいボディパネルを購入する余裕はありませんでした。仕方なく、リベットでアルミ板を貼って凌ぐ状態。10年くらい前まで、そんな修理を一部では続けていましたね」
「このクルマは普段の足。トルクコンバーターが故障し、8年間ほどガレージに眠っていた期間がありましたが、それ以外は常に外出では一緒です。トランスミッションが弱点で、フルードクーラーを追加しています」
「ステンレス製のエグゾーストへ交換してあり、45年前からブレーキにはシリコンフルードを用いています。10年前、走行距離が24万kmを過ぎた頃にエンジンをリビルド。ピストンは、オーストラリアから取り寄せました」
「サイドシルとボディの修復のため、専門ガレージに持ち込んでいますが、ほかの部分は自分で溶接しています。塗装も、ジャガーの塗料を用いて自分で。常にワックスでピカピカです」
英国で掘り出し物を発見
デイムラー・マジェスティック・メジャー
登録:1961年 走行:22万400km 価格:4万5000ユーロ(585万円)
スイスへ輸出されたマジェスティック・メジャー。売り手にとっては夢のクルマだといい、V8-250にダウンサイジングして販売している。記録では、1961年5月の製造と記されている。15年前に現オーナーとともにイタリアへ引っ越した。
右ハンドル車だが、スミス社製のスピードメーターはkm/h表示。オリジナルのサンルーフも自慢。最近にも、ステアリングとブレーキ、トランスミッション、キャブレターの整備を受けている。
フロントのレザーシートはヒビ割れしているという。ボディーにも少々のお手入れが必要なようだ。
デイムラーDR450 リムジン
登録:1961年 走行:10万200km 価格:2700ドル(29万円)
走行距離が短めのデイムラーは、アイルランドと日本を経由し、現在はアメリカにある。大きいボディがゆえに、往年の状態を取り戻すには壮大なプロジェクトになるだろう。
友人はレストアすることもなく、野良猫のように乗っていたらしい。オリジナルのヘミエンジンは、オールズモビルのV8エンジンに載せ替えてある。
だがリムジンは非常に珍しく、まだ走行可能な状態で、ボディやトリムの状態も予想よりは良いようだ。一部の部品はクロームメッキ加工し直してある。もし挑戦する気があるのなら、破格の値段でベース車両が手に入る。
中古車購入時の注意点などは後編にて。