【EVシフト】現実的な答えは? ご近所グルマ「超小型モビリティ」の可能性

公開 : 2021.09.15 19:45  更新 : 2021.09.15 21:15

「すべてをEVに」が無理なら

こうして宏光Mini EVの普及が進むことで何よりも注目したいのが、脱炭素を目指す世の中のニーズにマッチしやすくなることだ。

バッテリーの容量を小さくしたことで、バッテリー生産時の二酸化炭素排出量も抑えられ、軽量なEVが街の中を多く走るようになれば、エネルギーの“消費効率”も飛躍的に上がっていくはずだ。

宏光ミニEVの内装。急速充電に対応しなかったことで低価格を実現した。
宏光ミニEVの内装。急速充電に対応しなかったことで低価格を実現した。    会田肇

日本の超小型モビリティがそのまま当てはまることはないと思うが、この導入によって少なくともエネルギー消費効率は大幅に上がるはず。

コンパクトなボディは円滑な交通社会の構築を進められるし、駐車場などの場所も小型化することができる。

シェアリングサービスをはじめとしたMaaSに組み込みやすく、観光地などでも活躍する場面が多くなることは容易に想像できる。

今、世界的にEVシフトが叫ばれているが、すべてをEV化することは現実的に不可能だ。

現状のままでそれを推し進めれば、それこそ移動そのものを否定することにもつながりかねない。

長距離移動ではエネルギー密度が高い内燃機関エンジンを組み合わせるハイブリッド車(PHEV含む)を使い、近距離は環境負荷が少ない小容量バッテリーで済むEVを使ってラストワンマイルにつなげる。

それが現実的な対応なのではないだろうか。

そのためにも一刻も早く充電インフラを整備を進め、普及したときの“充電難民”を生まないような施策を望みたいと思う。

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