【ワンオフも制作可能】アストン マーティンの「Q」 コンコルド・エディション ゴールドフィンガー ほか 後編
公開 : 2021.10.03 13:45 更新 : 2021.10.12 16:20
V8 シグネット
トヨタが以前製造していた、iQというコンパクトカーをご記憶の方も多いだろう。そのiQをベースにアストン マーティンはシグネットを生み出したが、V8 シグネットは、Q部門が制作した特別な1台だ。
小さなボディに、Q部門が4.7LのV8エンジンを押し込んでいる。ヴァンテージSにも搭載されるユニットで、436psを発揮する。「Q部門で思い浮かんだアイデアです。シグネットに、V8エンジンを搭載したら面白いだろうと」。サイモン氏が振り返る。
「バルカンとワン-77を所有するロイヤルカスタマーの一人が、実現して欲しいと話したんです。彼はサーキット走行会などを通じて、われわれの技術者と交流がありました。技術者が実現したいと考えていると、わかっていたんです」
「このクルマは、本当にワンオフ・モデルとして作りました。一種の娯楽として。ですが、驚くほど運転して楽しいシグネットになりました。ホイールベースが短いクルマに、V8エンジンを載せたのですから、想像したとおりです」
可能だと考えるのなら実現へ挑戦する
サイモン氏は、小さなボディにV8エンジンを搭載することは簡単ではないと認める。シャシーと統合したロールケージやフロント・バルクヘッド、トランスミッション・トンネルなどを新たに設計している。
「V8 シグネットには、多くのV8ヴァンテージの要素が盛り込まれています。ボディシェルはシグネットですが、プロペラシャフトはアストン マーティン製の短い特注。トランスミッションも、ヴァンテージSのものです」
「専用部品も多く、インテリアも大幅に手が加えられています。量産予定はありませんでしたが、Q部門ができることを表現する素晴らしいデモカーにはなりました」
「お客様が何かを想像し、われわれが可能だと考えるのなら、われわれQ部門は実現へ挑戦するのです」