【新車か中古車か】VW ID.3vsジャガーIペイス いまや価格は同等に 保証付き中古車が狙い目
公開 : 2021.09.18 21:05
認定中古車なら保証は安心
まずお伝えしておくべきは、たとえ中古車であっても、Iペイスは売りっぱなしにならないことだ。フォルクスワーゲンは、ID.3に3年/9.7万kmの保証を付けている。いっぽうジャガーも、Iペイスの保証期間を3年としているが、走行距離は無制限なのだ。
今回の予算で探せるIペイスは、3年の保証期間ギリギリか、それを過ぎたものになるだろう。それでも、保証期間内で、正規ディーラーでしか整備されていないのなら、有償で保証期間を延長できる制度が用意されている。それが、安さに釣られて保証切れや出自のわからないクルマを買うより、多少高くても正規ディーラーでアプルーブド物件を選んだほうがいい理由だ。
Iペイスのアプルーブドカーは、独立系ディーラーや中古車販売店が扱う物件より10~20%ほど割高になる傾向がある。しかし、メーカーが用意するローンや家庭用充電器の無料提供を利用でき、ディーラーの2年保証も付くといったメリットがある。
都合のいいことに、バッテリーの保証はフォルクスワーゲンもジャガーも同等で、どちらも製造上の不良による故障は8年/16万kmだ。さらに、対象は新車購入者だけでなく、3人目のオーナーまで受け継がれる。保証期間内に蓄電容量が70%以下になった場合、修理かバッテリー交換に応じる点も共通だ。アプルーブドカーなら、バッテリー性能のチェックも受けられる。
しかし、どこで購入するにしろ、中古のIペイスに試乗しても、バッテリーが劣化しているかどうか体感はできないはずだ。スマートフォンのアプリを使えば、充電量と走行距離に応じて、使用可能なバッテリー残量を常にチェックできる。ジャガー最新のバッテリー管理ソフトを備えるIペイスで、フル充電でも複合モードで260km以下の航続距離までしか回復しないようなら、調べてみたほうがいい。そうした状態は、走行距離が多く、急速充電器でのフルチャージを繰り返してきた個体にありがちだ。
しかし、3年経ってもバッテリーのコンディションがよく、ディーラー保証もついた状態のいいIペイスなら、新車のID.3よりはるかに多くのものをもたらしてくれるはずだ。もっとも、バッテリー容量や航続距離、充電に関しては、より新しいID.3のほうが、少ない手間で多くを得られる。直流急速充電は、ジャガーが100kWまでの対応なのに対して125kWと上回り、家庭用の交流ウォルボックスでも、より短い時間で多くの電力を補充できる。
現実的な走行環境での航続距離は、82kWhバッテリーのID.3は400~450kmといったところ。バッテリーのコンディションにもよるが、Iペイスのバッテリーは90kWhとフォルクスワーゲンをやや上回る容量だが、中古車は状態のよい個体でも300~350km強といったところだろう。