【コスパの優等生】トヨタ・カムリへ英国試乗 小変更 インフォテインメントを更新
公開 : 2021.10.02 08:25 更新 : 2021.10.14 16:01
運転が好感触になるエコ・モード
車内の居心地は、従来から大きく進化はしていない。とはいえ、ベンチレーション機能の付くレザーシートは豪華。ヒーター内蔵のステアリングホイールは、冬場にうれしい。リアシートには、大人が2名快適に座れる。
荷室容量も大きい。インテリアの素材に安っぽいものが混在しているが、乗ってしまえばさほど気にはならないかもしれない。
燃費も、普通に走って16.0km/L前後が得られる。CVTには、トヨタのハイブリッドらしいラバーバンドが残っているが、燃費を考えれば納得するオーナーもいると思う。
市街地をゆったり流している範囲では、パワートレインのフィーリングは良く静か。それ以上のパワーを求めると、やや賑やかなノイズを放ってしまう。
エコ・モードが付いているが、カムリはそのボタンを押すと運転が好感触なものになる、数少ないモデルの1台。エコ・モードでは、遅いと感じさせないほどにエンジンが頑張らなくなるためだ。
ステアリングホイールには、シフトパドルが追加された。ドライバーが望めば、擬似的に6段階に設定されたギア比を選択できる。ただし、より効率的にカムリを走らせたいなら、CVT任せの方が良いはず。
シャシーの洗練度は今ひとつ。英国の路面状態では、やや浮ついたような感覚が強い。舗装の剥がれた穴の存在も明確に伝わり、ロードノイズも思ったより車内へ届くようだ。
風切り音の遮断は充分。若干スムーズさには欠けるが、アダプティブ・クルーズコントロールを活用すれば、リラックスして高速道路を巡航できる。
総合力で一考する価値はある
北米市場を強く意識した、トヨタ・カムリ。欧州市場で比べると、やや洗練度が劣るように感じられてしまう。しかし、この価格帯で選べる4ドアサルーンとしては特に車内空間が広く、標準装備も驚くほど充実している。
それでいて、ハイブリッドの燃費性能にも感心させられる。カムリを一考する価値はあるだろう。
マイナーチェンジの内容は、飛躍的とまではいえない。だがインフォテインメント・システムのアップデートは、トヨタ・カムリにとって大歓迎と呼べるものだと思う。
トヨタ・カムリ・エクセル 2.5ハイブリッド(英国仕様)のスペック
英国価格:3万4830ポンド(529万円)
全長:4885mm
全幅:1840mm
全高:1445mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:8.3秒
燃費:18.1km/L
CO2排出量:125g/km
車両重量:1595kg
パワートレイン:直列4気筒2487cc自然吸気+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:218ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT