【ヤリスのライバル】フォード・フィエスタ 改良型発表 新仕様「アクティブ」追加
公開 : 2021.09.17 18:25
欧州で人気のコンパクトカー、フォード・フィエスタがフェイスリフト。クロスオーバー風の新仕様も追加。
デザインは「大人っぽい印象」に
欧州で不動の人気を誇るフォード・フィエスタが、フェイスリフトを受けてスタイルを一新した。価格は1万6670ポンド(約250万円)からと、現行モデルよりも若干高めに設定される見込み。納車開始は2022年初頭を予定。
大きく変わったのはフロントエンドのデザインで、スリムなヘッドライト(標準でLED、オプションでマトリクスLED)とグリルが刷新された。ボンネットの形状も、より骨太感のあるものに変更。また、ブルーオーバルと呼ばれるフォードのエンブレムがボンネットからグリルに移されている。
フォードの欧州デザイン責任者であるムラト・グエラーは、AUTOCARに対し、改良における優先事項は「より大人っぽい印象」を与えることだと語った。
「批判的に言えば、現行モデルはフロントが少し丸みを帯びています。ヘッドライト周りのラインワークは、少しシュッとしていて、赤ちゃんの目のようでもあり、造形的にも比較的シンプルです」
「その点で、フィエスタにはフロントエンドのリフレッシュが必要だと感じました」
また、リアでは、LEDライト(オプション)の周囲にブラックを配している。
タフな新モデルも登場
モデルごとに細部のデザインが異なっており、エントリーモデルの「トレンド」と中間モデルの「チタニウム」には、クロームメッキのグリルおよびウィンドウ・サラウンドが採用されている。
一方、高性能モデルの「ST」には、ハニカムデザインのブラックグリルに加え、サイドベントとワイド化されたロワーグリルを採用。新たに導入されたクロスオーバー風の「フィエスタ・アクティブ」は、無骨なデザインと車高アップにより新たな顧客を取り込もうとしている。
グエラーはAUTOCARの取材に対し、「各モデルのキャラクターを明確に分けようとしました」と述べている。
同氏によると、アクティブは「可能な限りクロスオーバー」に近づけ、STは「可能な限りスポーティ」にしたという。
ホイールのデザインは7種類あり、ボディカラーとしては「バウンドレス・ブルー」、「ビューティフル・ベリー」、そしてST用の「ミーン・グリーン」の3色が追加された。
エンジンラインナップも多様
新型フィエスタは、さまざまな新機能を搭載し、あらゆる運転シーンで「快適性、信頼性、利便性の向上」を追求している。パワートレインに大きな変更はなく、引き続きガソリンエンジンのみの展開となるが、マイルド・ハイブリッドも選択できる。
1.0L 3気筒エコブースト・ハイブリッドは、125psまたは155psの2種類が設定され、加速時にトルクを追加するBISG(ベルトインテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を搭載している。
WLTPサイクルで20.4km/lの燃費と111g/kmのCO2排出量を達成。標準で6速MTが採用されているが、一部モデルでは7速ATも選ぶことができる。
昨年、ディーゼル車が廃止されたことにより、標準モデルにおける純エンジン車は100psのエコブーストにMTを組み合わせた1種類だけとなっている。燃費は19.2km/l、CO2排出量は118g/km。
一方、フィエスタSTの1.5L 3気筒ガソリンエンジンは、トルクが29kg-mから32kg-mに向上しているが、出力は200psと変わらず。0-100km/h加速6.5秒、最高速度は230km/hとなっている。
また、ST専用の機能として、トラクション・コントロールを無効にし、ESCを「ワイド・スリップ・モード」に設定するサーキット走行用のモードが新たに追加されている。