【New C3って何?】シトロエン 新興国市場に本格進出 過酷な環境に耐える新モデル開発

公開 : 2021.09.17 18:45

マルチ・スズキとの戦いも

しかし、シトロエンがインド市場への本格的な進出を発表するわずか1週間前に、フォードが同市場からの撤退を発表した。シトロエンが同じ問題に直面しないためにはどうすればよいかとの質問に対し、コベはこう答えた。

「インドが厳しい市場であることは周知の事実です。わたしはインドで多くのモデルを発売する機会に恵まれましたので、知恵とまではいかないまでも、少しは経験に基づいた話ができます」

シトロエン「New C3」
シトロエン「New C3」    シトロエン

「インドにクルマを導入する際には、4つのことに取り組む必要があります。1つは、『ローカライゼーション』、2つ目は『安心』です。インドには、40年以上の歴史を持ち、販売台数の50%以上を占め、大陸全体で1万か所の販売拠点を持つ有力なプレイヤー(マルチ・スズキ)がいます」

「そこで生き残るためには、競争力、存在感、部品の入手可能性を確保する必要があります。そして、3つ目が『機動力』、4つ目が『柔軟性』です。更地(グリーンフィールド)に工場を新設し、ディーラー網に投資して、売上が上がるのを待っていたら、収益を得る前に固定費に追われてしまいます」

そこでシトロエンは、建設費を節約するために既存の土地(ブラウンフィールド)に投資し、C5エアクロスで徐々に生産を拡大してきた(今年8月の販売台数はわずか50台で、通年では500~1000台程度と予測されている)。

コベによれば、ディーラー網も「柔軟で機敏」であり、ターゲット地域の人口の少ないエリアに適したメンテナンスプログラムに結びついているという。

注目すべきは、New C3はガソリン車のみの展開で、EVの可能性については言及されていない点だ。

コベは、インドとラテンアメリカで販売されている車両は「技術的には」電動化できるとしながらも、「市場の準備ができていない」と述べた。

インドではCAFE(Corporate Average Fuel Economy:企業別平均燃費)法が、南米ではエネルギー使用量の規制制度があり、これらの市場ではすでに「CO2排出量が減少曲線を描いている」という。当面の間は、電動モデルを販売するよりも、全体のCO2排出量を削減することが優先される。

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