【この金額は高い?安い?】ロータス・エミーラ 英国価格発表 新時代の到来
公開 : 2021.09.21 18:05 更新 : 2021.10.29 10:39
これまでにない生産規模
車両の基本構造部は、英ノリッジにあるロータス・アドバンスト・ストラクチャーズという新工場で製造された後、ヘテルにある拠点に約16km運ばれる。この1万2000平方メートルの新工場では、半自動化プロセスで組み立てられていく。この工場は10年間にわたって未完成のまま放置されていたが、ようやく稼働にこぎつけた。
現在、ロータスの英国内生産施設への投資総額は1億ポンド(約150億円)にのぼり、ヘテルには自動化された塗装工場が新設されている。マット・ウィンドルによると、塗装の仕上げなど主要な部分を厳格に標準化することで、品質が大幅に向上するとのこと。
エミーラは年間最大4800台の生産を計画しており、これまで1400~1600台のペースで販売していたエリーゼ、エキシージ、エヴォーラに比べて大幅に増加することになる。ウィンドルは、エミーラの魅力がこれまでのロータス車よりもはるかに大きく幅広いものであることから、新たなユーザー層を取り込めると確信している。
エミーラは、ロータスが2028年の創立80周年に向けて、前社長のフィル・ポパムのもとで策定された「ビジョン80」計画から生まれた最初のモデルである。前述の通り、同社にとって最後の純エンジン車となる。今後はアルピーヌと共同開発した新型電動スポーツカーに加え、中国・武漢の新工場で生産予定の電動SUVも展開していく。
エリーゼとエキシージの生産は今年末に終了し、両車ともほぼ完売している。エヴォーラの生産はすでに終了している。
開発におけるテーマとは?
英AUTOCAR編集部は、ロータスのデザイン責任者、ラッセル・カーへインタビューを行った。
――ロータスの新モデルは、そうそう出てくるものではありません。このような重要なプロジェクトにどのように取り組みましたか?
「わたし達は、どのプロジェクトにも大きな情熱と興奮を持って取り組んでいます。このクルマでは、ドラマ性や魅力、スーパーカーのようなエキゾチック感を備えながらも、スポーツカーというカテゴリーに位置し、日常的に使用できる親しみやすさと品質の高さを兼ね備えることが大きなテーマでした」
「正直なところ、競争が厳しいことはわかっているので、わたし達はもっと前進しなければなりません。ロータスは歴史的に見ても、ライバルよりも常にスポーティなブランドでした。新たに迎え入れたエヴァイヤは、ロータスの真の姿を示すものでしたから、これを足がかりにしない手はありません」
――なぜ、ここまでインテリアを一新したのでしょうか?
「乗り込んだ瞬間、何の戸惑いもありません。サングラスやボトルなどを置く場所はたくさんありますし、収納も充実しています。空港への移動やビジネスでの使用など、毎日妥協することなく使うことができます」
「クルマには何も求めず、ストレスなく支えてもらいたいものです。しかし、もし(車両属性ディレクターの)ギャバン・カーショウになりきって運転したいのであれば、それも可能です」
――スポーツカーは比較的長く販売される傾向にあります。そのためにはどのようなデザインが必要でしょうか?
「すべては理由があって成り立っています。クルマを美しく、記憶に残るように、そしてモダンにすることが大切です」
「自分に正直になり、単にファッショナブルであろうとすることは避け、少し控えめにする。創造性や興奮を捨ててはいけませんが、大きなエアロパーツで飾り付けるのは簡単です。バランスを取らなければなりません。時折、コーリン・チャップマンが導いてくれているように感じることもあります……」
――エミーラの開発にはどのようにテクノロジーを活用したのですか?
「デジタルモデリングを多く行っていますが、常に実物大のクレイモデル(粘土製の模型)を用意しています」
「また、インテリアではVRを使用しています。ラフなデジタルデザインを作り、VRゴーグルを装着して実際にクルマに座っているかのような感覚を味わってから、クレイを作ります」