【いい尽くせない素晴らしさ】GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダーへ試乗 後編

公開 : 2021.09.29 19:05  更新 : 2022.08.08 07:23

いい尽くせない素晴らしさは否定できない

リアアクスルはリジッドだが、乗り心地も妥当なレベル。カリフォルニア・スパイダーは公道用のツーリングカーだ。タイトなカーブが連続するサーキットのためのクルマではないから、重要なポイントになる。

イングランドの走り慣れた道を運転しながら、気持ちはカリフォルニアに広がる砂漠へ飛んでいた。恐らくカリフォルニア・スパイダーも、もっと活き活きと走れるだろう。

GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダー・リバイバル(欧州仕様)
GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダー・リバイバル(欧州仕様)

類まれなV型12気筒エンジンと一緒に、ひたすらワインディングを登り、下る。何時間でも続けられそうな気がする。このクルマには、ちゃんと大きな荷室も付いている。なんと完璧なのだろう。

見事な復活といえる、カリフォルニア・スパイダー・リバイバル。仕上がりの高さに関心を寄せるエンスージァストもいると思うが、これから数十年後、数オーナーを経た後に本物の250 GTだと勘違いされ取り引きされる可能性もなくはない。

どちらも理解できる。でも筆者は、このクルマがどんなドライビング体験をもたらし、どんな意味を含むのかという程度に絞っておこう。

完成度は、オリジナルのように素晴らしい。弱点を克服するため、現代的な知見で理想的な処理も加えられている。単なる模倣品にしたり、オリジナルの個性を歪めることなく。

クラシック・フェラーリを再現するというアイデアを、好む人もいれば好まない人もいると思う。だが、カリフォルニア・スパイダー・リバイバルのいい尽くせないほどの素晴らしさを、どんな人も否定はできないはずだ。

GTOエンジニアリング・カリフォルニア・スパイダー・リバイバル(欧州仕様)のスペック

英国価格:85万ポンド(1億2920万円)
全長:4420mm(フェラーリ250 GT カリフォルニア/1961年)
全幅:1626mm(フェラーリ250 GT カリフォルニア/1961年)
全高:1219mm(フェラーリ250 GT カリフォルニア/1961年)
最高速度:241km/h以上
0-100km/h加速:6.0秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:1050kg
パワートレイン:V型12気筒3500cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:324ps/7000rpm
最大トルク:−
ギアボックス:5速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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