【異色コラボ?】BMWと西陣織 3台限定1680万円のBMW X7 違いに迫る

公開 : 2021.09.22 05:45  更新 : 2021.10.11 10:51

「BMWと日本の名匠プロジェクト」の第3弾が披露。X7の内装、西陣織コラボ。限定3台のみ販売です。

日本の名匠プロジェクト第3弾

執筆/撮影:Kazuhide Ueno(上野和秀)

BMWジャパンは、日本の匠とドイツのクラフトマンシップを融合させ、世界に唯一無二のラグジュアリー感を表現したという「BMWと日本の名匠プロジェクト」に取り組んできた。

昨年9月に第1弾として漆芸家の岡田紫峰氏による漆塗り蒔絵螺鈿細工を施したインテリア・トリムを採用する「BMW 8シリーズ・グランクーペ京都エディション」を限定3台で発売。第2弾は2020年12月に人間国宝である奥山峰石氏が丹精を込めて手がけた鍛金・象嵌細工作品を内装に施した「BMW 7シリーズ・ピュア・メタル・エディション」を限定3台で送り出した。

「BMWと日本の名匠プロジェクト」第3弾は、BMW X7 xドライブ40dエクセレンスと西陣織のコラボレーション。
「BMWと日本の名匠プロジェクト」第3弾は、BMW X7 xドライブ40dエクセレンスと西陣織のコラボレーション。    上野和秀

その第3弾としてBMW X7 xドライブ40dエクセレンスをベースに、日本が世界に誇る西陣織の技法を駆使する気鋭の工芸家とコラボレーションした限定車が発表された。

このプロジェクトでは、日本の匠が制作した「作品」を、ドイツの職人がハンドメイドで組み上げるBMWインディビジュアル・マニュファクチュール・サービスで仕立てられる。

第3弾となる「西陣エディション」は、インストゥルメント・パネルとセンターコンソール部分、フロント・センター・アームレストを、西陣織で仕上げられた点が特徴。

外装色にはBMWインディビジュアル特別色のアメトリンを採用。複数の顔料を使った多層塗により、光の具合で紫から赤、青、黄色と複雑に表情を変えるカラーだ。

西陣織の技を駆使したインテリア

インストゥルメント・パネルとセンターコンソール部分のトリムは、300年以上続く引箔技術で作成。

本来は和紙に箔を貼るのだが、今回はX7のパネルに直接装飾するという特別な技法で作られた。

センターコンソール部分。西陣で箔屋として歴史を重ねてきた楽芸工房が担当。金銀箔と顔料で表面を塗りつぶしたのちに磨きだす工程を5回繰り返す「五色金重ね」技法。
センターコンソール部分。西陣で箔屋として歴史を重ねてきた楽芸工房が担当。金銀箔と顔料で表面を塗りつぶしたのちに磨きだす工程を5回繰り返す「五色金重ね」技法。    上野和秀

この部分は西陣で箔屋として歴史を重ねてきた楽芸工房が担当。金銀箔と顔料で表面を塗りつぶしたのちに磨きだす工程を5回繰り返す「五色金重ね」技法で作成された。

これにより、立体的な輝きと深みのある色彩が得られる。室内に入る光を受けて季節や時間毎により表情を変え、室内空間をより上質なものにする。

前席のセンター・アームレストは通常のX7ではメリノレザーだが、「西陣エディション」では1889年創業の老舗西陣織メーカー「加納幸(かのうこう)」が担当した。

箔装飾したメリノレザーを細くした糸を、絹の縦糸に織り込む西陣の引箔技法で作成。レザーの質感を残しながら立体感のある織りは、織り目から優雅な色彩を放つ。

めでたいことの前兆として現れるという「卿雲」をイメージした白い立体模様は、270本の絹糸で表現。夜間でも西陣加装飾ならではの優雅な雰囲気を高めてくれる。

なお披露された「西陣エディション」に備わる西陣織ルーフライナーは、限定車のコンセプトを先鋭化して表現された参考部品で、販売車輌は車輌規定法の関係からアルカンターラ製となる。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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