【またも軽規格】ケータハム「セブン170」 日本資本となって初の新型車

公開 : 2021.09.23 19:00  更新 : 2021.10.11 13:55

ケータハムが、軽スポーツの新型車を発表! 「セブン170」の日本価格、スペック、エンジンを解説します。本日から発売です。

軽のセブン 新型にモデルチェンジ

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
編集:Tetsu Tokunaga(徳永徹)

9月23日、英国のケータハムカーズが、同社史上最軽量の量販車「セブン170」を発表。日本ではケータハムカーズ・ジャパンから同日19時に販売が開始された。

セブン170は、2014年12月に発売されて大成功をおさめた、セブン160の後継モデルだ。

ケータハム・セブン170 R
ケータハム・セブン170 R    ケータハムカーズ・ジャパン

つまりそれは、セブン160と同様に日本の軽自動車の規格に準拠していることを意味している。そう、日本では軽自動車として登録することができるのだ。

日本独自の自動車規格、軽自動車。1998年10月に施行された現在の規格は、全長3.4m以下×全幅1.48m以下×全高2m以下、乗車定員は4名以下、貨物積載量は350kg以下、そしてエンジン排気量が660cc以下であれば、どこの国で生産されたクルマでも軽自動車として登録できる。

それゆえ、かつてはスマートフィアット126が規格に適合していたので、軽自動車として登録することができた。

いまや日本の軽自動車市場は、ホンダNボックススズキスペーシアといったスライドドアのハイト系ワゴンが大半を占めており、趣味的なスペシャルモデルといえそうなのは、ダイハツコペンとスズキ・ジムニーくらい。

軽唯一のスポーツカーとして奮戦していたホンダS660も2022年3月で生産終了が決定し、最終モデルの「モデューロXバージョンZ」はすでに完売してしまった。

軽自動車だけでなく「スポーツカー受難の時代」に、170にアップグレードして登場した軽のケータハム・セブン。では、その概略を紹介していこう。

最高出力/最大トルクがアップ

セブン170のエンジンは、セブン160よりもパワーアップされたスズキ製658cc 直3ターボだ。

日本では軽自動車のエンジンは自主規制値として最高出力を64psにおさえているが、セブン170では最高出力は85ps/6500rpm、最大トルクは11.8kg-m/4000−4500rpmを発生する。

ケータハム・セブン170 S
ケータハム・セブン170 S    ケータハムカーズ・ジャパン

ちなみに、セブン160のパワースペックは80ps/7000rpmと10.9kg-m/3400rpmだったから、最高出力は5ps、最大トルクは0.9kg-mアップされている。

トランスミッションは、5速MT。スズキ・エブリイ用のリアアクスルを流用し、もちろん後輪のみを駆動する。

サスペンション形式は、前がダブルウィッシュボーン、後ろがマルチリンク・ライブアクスル。ブレーキは、前がソリッドディスク、後ろがドラムとなる。

タイヤはパワーとのバランスを考慮して、ワイドなハイグリップタイプではなく、155/65R14(このサイズもセブン160と同じ)のエイボンZT7を履く。

わずか85psだが、後述する軽量ボディのおかげで、0-100km/h加速はわずか6.9秒と瞬足。最高速度も168km/hに達する。

しかも、ユーロ6やロンドンの超低排出ゾーンであるULEZ(ウルトラ・ロー・エミッション・ゾーン)の基準をクリアしており、ケータハム史上もっとも環境に優しいモデルの1つとなっている。

記事に関わった人々

  • 徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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