【秋の全国交通安全運動】スマホのカーナビ なぜ移動式オービス/ネズミ捕り通知? 精度/ソースは
公開 : 2021.09.24 05:45 更新 : 2021.10.20 17:32
カーナビアプリ「Yahoo!カーナビ」に移動式オービス/ネズミ捕りを通知する機能が追加されました。
移動式オービス/ネズミ捕りにも対応?
ヤフー株式会社が運営するカーナビアプリ「Yahoo!カーナビ(ヤフーカーナビ)」に新しい機能が追加された。
それは、「移動式オービス」や「定置式速度取り締まり(ネズミ捕り)」を通知するというものだ(月額250円でiOSのみ)。
それまでのヤフーカーナビには、固定式オービスを通知する機能があった。
固定式オービスの場所は、実質的に公にされているので、その機能に違和感はない。
しかし、移動式オービスやネズミ撮りまでも通知するとなると、取り締まり逃れを助長するアプリにも思えてくる。
またそれらの取り締まりは神出鬼没。どれほどの精度があるのかも気になったので、調べてみた。
取り締まり情報を提供するワケ
ヤフーカーナビのほか、ユーザー数が多い「ナビタイム」にも移動式オービス・ネズミ捕り通知機能があるので、両者の広報担当へたずねた。
ヤフーカーナビの広報担当は「速度超過は死亡事故率を上げています。とくにコロナ禍では交通量が減り、速度超過による事故が増加しているのです」
「そこで、よりいっそうユーザーの速度超過をしないように、また安全運転をしてもらうと思い提供を開始しました」とのこと。
ナビタイムの広報担当は「ユーザーの安心な移動を支援するツールとして、また適切な交通ルールを案内するため提供しています」
「国土交通省や警察が実施している交通取り締まりなどの情報を提供することで、事故防止に貢献できると考えています」とのこと。
両者とも共通して、ユーザーの安全運転のサポート、交通事故の削減を目的として、移動式オービス/ネズミ捕り通知機能を提供しているようだ。
たしかに、アプリから速度取り締まりの通知を受けると、ドライバーは制限速度内の走行をするようになるだろう。
速度違反取り締まりをする場所の多くは、事故多発地点だ。
ユーザーの取り締まり逃れを助長するのではなく、安全運転を促し交通事故を防ぐ機能といえる。
移動式オービス/ネズミ捕り実施場所情報、ソースはどこなのだろうか?
気になる 情報のソースと精度は?
移動式オービス/ネズミ捕りの実施場所情報のソースはどこからかをたずねた。
ヤフーカーナビは「有限会社パソヤ」、ナビタイムは「株式会社フードライズ」から情報の提供を受けているとの回答。
パソヤは「オービスガイド」という交通取り締まり通知に特化したスマートフォンアプリの開発運営会社。
そのアプリは、アップル社が選ぶ「Top Apps Charts BEST OF 2017」にも入った人気のあるものだ。
パソヤに情報の精度について問い合わせた。
「弊社は2008年から『交通取り締まり情報』のほか『不審者』、『犯罪』、『火事』、『自然災害』、『イベント』など地域情報全般の情報を共有する仕組みを運用してきました」
「その中から一番人気のあったカテゴリが『交通取締まり情報』で、これを特化させたアプリ『オービスガイド』をリリースしました」
「移動式オービスついては、2014年の試験運用開始時より全国の現地調査するなど研究をしてきました」とのこと。
フードライズの公式ウェブサイトにアクセスすると、交通取り締まり情報提供に特化した企業であることがひと目でわかった。
独自調査と一般からの情報提供で、最新の交通取り締まり情報を更新しているようだ。
どちらも、独自の情報収集ネットワークを構築していたことがわかった。ある程度の精度は期待できるだろう。
しかし、そもそもそのようなビジネスが成立していたことに、筆者は驚いた。