【クワトロの次はランチア?】E-レジェンド ラリーマシン風のEV 新モデル構想中
公開 : 2021.09.25 06:05 更新 : 2022.11.01 08:53
ラリーカー風のEV「EL1」に続く新モデルは、ランチアやフォードにインスパイアされているかもしれません。
ランチアやフォードが候補に?
ドイツのEVベンチャー企業、E-レジェンドは、アウディ・クワトロS1にインスパイアされた「EL1」をミュンヘン・モーターショーに出展したばかりだが、すでに次のプロジェクトに取り組んでいるという。
EL1のカーボンファイバー製シャシー、サスペンション、電動パワートレインは、一体化して設計されていると、Eレジェンド社の会長兼チーフデザイナーであるマーカス・ホルツィンガーは説明する。つまり他のボディとの統合が容易であるという意味だが、アーキテクチャーも柔軟なため、ホイールベースが多少異なっていても問題ない。
「EL1ではアウディをイメージしていますが、将来的には別のものになるかもしれません。これは出発点に過ぎません」とホルツィンガーはAUTOCARに語っている。
グループBはインスピレーションには事欠かない。ホルツィンガーは、自社のポートフォリオに最も加えたいクルマは何かという質問に対して、ランチア・デルタS4、ランチア037、フォードRS200を挙げたが、ファンの要望が決め手になることもあるとしている。
しかし、ホルツィンガーの父親がデザイン会社のモデラーとして1984年のオリジナルモデルに携わっていたこともあり、クワトロは常に一番に考えていたようだ。
OEMには作れないものを
EL1は、T字型の90kWhバッテリーを搭載し、フロントに1基、リアに2基のモーターを備え、リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを介してモーターを駆動する。
モーターはクワトロのようなハンドリングを実現するように構成されているが、ホルツィンガーによると、将来的には走りの特性を適切に変更できるという。フロントモーターをオフにしたり、部品を移設して重量配分を変えたりすることも可能であるとのこと。
E-レジェンドを立ち上げる前にフォルクスワーゲンのデザイナーとして働いていたホルツィンガーは、次のように述べている。
「アウディのデザイン部門とは密接に連絡を撮っていますが、衝突はありません。彼らはとても気に入ってくれています。彼らは非常に進歩的・未来的な戦略を持っており、そこにはレトロなデザインが入り込む余地はありません」
E-レジェンドによると、EL1を市場に投入するための資金を持っているという。計画では30台程度を製造し、価格は89万ユーロ(約1億1500万円)としている。しかし、さらなるビジネスの拡大のために、より大きな投資家を求めている。
現在、EL1のプロトタイプの生産が始まっており、納車は2023年末に開始される予定だ。