【現実の環境でテスト】メルセデス・ベンツEQA 250試乗 一般道/高速道路/峠道で検証

公開 : 2021.09.25 19:05  更新 : 2021.10.11 11:56

すんなり「ベンツに乗っている感」

翌日、甲府に向けてスタート。

まず、驚いたのは、これまでのメルセデス・ベンツのフィーリングをそのまま受け継いでいて、何の違和感もなくすんなりと「ベンツに乗っている感」がしたことである。

EQAはこれまでのメルセデス・ベンツのフィーリングをそのまま受け継いでいる。
EQAはこれまでのメルセデス・ベンツのフィーリングをそのまま受け継いでいる。    戎 大介

これは、動力源が変わってしまうというような重大な局面では、とても大切なことで、長い間、メルセデス・ベンツを乗り継いできた人が、すぐに慣れることの重要さをよく理解していると思う。

因みに、私も、W123の300Dを皮切りに、これまで約40年の間に、230TE、300TEなど9台を乗り継いでいるので、ベンツの味については分かっているつもりだ。

では、メルセデスらしさはどんなことなのか、と言われると、なかなか表現が難しいが、リニアな感触のステアリングや、硬めなのに柔軟なサスの動き方、各部の操作のかっちりしたクオリティ感などから、生まれてくるのだろう。

ただし、今回は、実は、すぐにでも改良をして頂きたい、とてもがっかりしたことがあった。

EQA、とてもがっかりしたこと

改良して頂きたいこと。それは、ETCを入れようと助手席側のダッシュボードを開けようとしたら、なかなか開かないのである。

ロックされているわけでもないし、単純なプラ製のフックなのだが、かみ合わせが悪いのか、全く開かず、何度か、ダッシュボード自体を叩いたりして、ようやく開いたが、このようなレベルの低い工作精度は、かってのメルセデスでは有り得ず、一体どこの国のクルマかと呆れた。

助手席側のダッシュボードが開きづらかった。レベルの低い工作精度にがっかりしたと筆者。
助手席側のダッシュボードが開きづらかった。レベルの低い工作精度にがっかりしたと筆者。    笹本健次

恐らく、オーナーの何人かはステーそのものを折ってしまうだろう。

同じことは、充電用のプラグの収納カバーの開閉でも言えて、この2点だけで、毎日使う人は嫌になるだろう。

ジャーナリストの立場というより、永らくメルセデスに乗ってきた一ユーザーの立場からも残念でならない。

現実の環境でEQAをテスト

気を取り直して、中央道に向かう。今回は、運悪く、相模湖あたりで、事故が発生し、約6km、通過に40分かかる渋滞に遭遇したが、特に問題はなく甲府に到着。

オドメーターは6011kmを指していたので、114kmを走行したが、この時点での走行可能距離は226kmだったので、通常の162km分の電気を消費したことになる。

最終日は合計176km走行。メーター上では残走行距離は191kmで、46%の残。
最終日は合計176km走行。メーター上では残走行距離は191kmで、46%の残。    戎 大介

甲府に到着したのは16時頃。早速、3.2kWの普通充電器でセットすると、残電気は59%で、満充電になるのは午前2時37分、すなわち、約10時間がかかると表示された。

翌朝、充電完了後の残走行距離は385kmと表示された。

本日は、山梨県内のシャトレーゼヴィンテージゴルフ場で開催されている日本シニアオープンゴルフを観戦した後、近くの高原で撮影を行い、その後、深夜に川崎に戻るスケジュールだ。

前日の台風も去って、台風一過の素晴らしい天気に恵まれ、さわやかな高原をEQAで走るのは最高だ。

このEQAは、オプションの20インチホィールを履き、タイヤはコンチネンタルのエココンタクト235/45R20が組み合わされていて、硬めのサスペンションと相まって、ワインディングでの走りはとても楽しい。

撮影が終了し、渋滞がまだ残る中央道を走り、川崎に到着したのが23時。

夜間の渋滞の中でも、特に問題になることは無かったが、ライトがオンになると、室内のパープルのステッチが光り、一瞬ギョッとする。

きれいだと瞬間は思うのだが、しばらくすると、場末のスナックにいるような気分になってくるのが辛い。このようなギミックは果たしてどうなんだろうと思う。

さて、帰宅時のオドメーターは6187kmを指していた。従って、この日は合計176km走行したことになる。

但し、メーター上では残走行距離は191kmで、46%の残となった。

家で、充電をセットすると、満充電になる時間は翌日の12時25分と出て、13時間の充電時間を要することになった。

記事に関わった人々

  • 笹本健次

    Kenji Sasamoto

    1949年生まれ。趣味の出版社ネコ・パブリッシングのファウンダー。2011年9月よりAUTOCAR JAPANの編集長、2024年8月より総編集長を務める。出版業界での長期にわたる豊富な経験を持ち、得意とする分野も自動車のみならず鉄道、モーターサイクルなど多岐にわたる。フェラーリ、ポルシェのファナティックとしても有名。

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