【6速MTとCVT】新型ホンダ・シビック 両トランスミッションを比較試乗

公開 : 2021.09.27 19:45  更新 : 2022.03.18 14:45

「新型シビック」をテスト。6速マニュアルとCVTを比べました。受注の初動段階では、MTの割合が従来型のときを上回っています。

シビックの基本に立ち戻る

第11世代となるホンダ・シビックが日本発売された。

シビックは1972年の初代発売以来、「常に世界の人々に驚きを届けるベーシックカー」として存在し続けてきたモデルで、170か国以上、累計販売台数2700万台以上の実績を誇る、ホンダのメインモデルである。

ホンダ・シビックEX(ソニックグレー・パール/6MT)
ホンダ・シビックEX(ソニックグレー・パール/6MT)    前田恵介

新型の開発にあたっては、歴代のシビックを研究したという。そして、初代が発売された当時、「一服の清涼剤」と評価されたが、その現代版である「爽快CIVIC」が開発コンセプトとなった。

また、パッケーシングやデザインにおいては、高い人気を博した3代目シビックを参考にしたという。

これを聞いて、個人的にはかなりテンションが上がってしまった。

というのも、今回のシビックのメインターゲットは「ジェネレーションZ」。

つまり20歳代となるが、ジェネレーションX世代の私がまさにこの年齢の頃、3代目シビックでワンメイクレースに参戦しており、「青春真っ只中」だったのだ。

そういえば、各世代のシビックには愛称があり、それほど愛すべき存在だった。

ワンメイクや耐久、そして憧れだった全日本ツーリングカー選手権まで、思い出たっぷりなモデルなのだ。レースはともかく、キビキビとした走りや運転のしやすさはプライベートカーとして最高の相棒だったと、私と同じような感情を抱く方も少なくないと思う。

デザイン/視界について

その後、2001年のフィット誕生もあり、8代目から10代目までは、ミドルクラスのクルマとしてグローバルカーへと成長した一方、日本国内においては、ちょっと存在感が薄くなったのも否めない。

だからこそ、11代目となる今回は、人気者だった頃の良さを再確認したという側面もあるだろう。

ホンダ・シビックEX(内装色:ブラック×レッド/6MT)
ホンダ・シビックEX(内装色:ブラック×レッド/6MT)    前田恵介

シビックは、基本性能を欧州で鍛え上げ、その後、地域特性に合わせた最適化を図っている。

果たしてどんなキャラクターに仕上がっているのか、パッケージングのみならず、人気も3代目並みとなるのか。早速試乗してみた。

低く抑えられたボンネットフード、流麗で伸びやかなルーフライン、フロントからリアまでストレートに伸びたサイドのキャラクターラインが印象的で、ロー&ワイドなスタイリングはすっきりしていてルックスからも軽快さが感じられる。

インテリアは、水平基調ですっきりしている。

シンプルなだけに、パンチングメタルを用いたアウトレットメッシュのデザインが印象的だ。

そして、Aピラーを50mm下げたことで「視界の良さ」も向上している。フィット、ヴェゼルに続き、最近のホンダ車は運転視界に優れ、安全性・開放感に寄与している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    佐藤久実

    Kumi Sato

    大学在学中にレースデビューし、耐久レースをメインに活動。ニュルブルクリンク24時間レース、スパ・フランコルシャン24時間レースで入賞を果たす。モータースポーツで培ったスキルをベースにインストラクターとしても活動。東海大学工学部動力機械工学科非常勤講師、芝浦工業大学特別講師の経験あり。日本カー・オブ・ザ・イヤー、World Car Awards、日本ボート・オブ・ザ・イヤーの選考委員も務める。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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