【アストン マーティン祭り】後編 DB2/4 DB4 シリーズV V8 DB7 ヴァンテージほか

公開 : 2021.10.17 17:45

アストン マーティンDB2/4(1955年)

オーナー:ディラン・マイルズ

カーディーラーのディラン・マイルズ氏は、不動車状態でDB2/4を購入。レストアし、1956年のラリー・モンテカルロのプレートが似合うクルマへ仕上げた。

アストン マーティンDB2/4(1955年)
アストン マーティンDB2/4(1955年)

ケン・カーター氏というレースドライバーへ1955年に納車され、1956年のラリーへ出場している。だが、ルーフラックの荷物のあれこれは、当時積まれていなかったはず。オーナーが、雰囲気を高めるために追加した小道具だ。

カーターはクーパーのワークスドライバーを務めており、2度のラリー・モンテカルロへ出場している。だが1956年は3.0Lのアストン マーティンへ乗り換え、友人のロバート・ロプナー氏と参戦した。

クルマには、戦いの歴史を彷彿とさせるカーターのメモが残されている。オリジナルのラリー・モンテカルロ・レギュレーション・ブックも残っているという。

カーターは追加費用を払い、このDB2/4にDB3S用のシリンダーヘッドとツインエグゾーストも組んでいた。しかしレース後にクルマを売却する際、価値が下がるのを恐れて、改造のことは隠していたらしい。

会場にやってきたアストン マーティン・ファンの多くが、このDB2/4を初めて目にした様子。近年パグズリー&ルイス社によってレストアを受け、見事な姿がよみがえった。

「手放すつもりはまったくありません。できる限り、状態を保とうと考えています」

アストン マーティン・ラピード(2015年)

オーナー:ジョン&ハリー・コレット

現役モデルの中で注目を集めていた1台が、コレット親子が乗ってきたラピードだ。「初めてのアストン マーティンです」。と父のジョン・コレット氏が笑顔で説明する。

アストン マーティン・ラピード(2015年)
アストン マーティン・ラピード(2015年)

「6年乗っていますが、少し手に余るクルマでもありました。ですが英国車やV型12気筒エンジンに興味を抱くようになり、すべてがラピードに揃っていると気付いたんです」

「ディーラーのデモ車両で、ほぼすべてのオプションが載った状態。レザーのインテリアだけでも、7000ポンドも追加費用がかかっています」

「トランスミッションは第3世代のATで、とても滑らか。マニュアル・モードにし、シフトパドルで変速して運転しています。殆ど毎日乗っていて、走行距離は4万8000kmほど。維持費はさほどかかりません」

「定期点検では、1000ポンド(15万円)ほど見ておけば大丈夫。想像以上に実用的でもあります。乗り降りは少々難しいですが、リアシートの空間も十分広い。全長は長いですが、それ以上に全幅が少々問題になることはありますね」

「他にTVR V8と、メルセデス・ベンツAMGの63も所有していますが、それと比べれば燃費も6.4km/Lと、悪くありません」

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    ポール・ハーディマン

    Paul Hardiman

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マック・アーリー

    Mac Earey

  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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