【クルマのカタチ】消えていくボディスタイル 18選 時代の波に呑まれていったクルマたち
公開 : 2021.10.02 06:05
3人乗りのロードスター
ベンチシートにはさまざまな活用法がある。英国では1950年代に流行したもので、アラード・パームビーチ(写真)、マローダー、ライリーRMCなどの美しいクルマがあり、誰もが華やぐことができた。
最終的には偶数席のコンバーチブルやロードスターが主流となった。
4ドア・コンバーチブル
このスタイルは構造的に難しいものであったが、30年代から50年代にかけて、多くのモデルが登場した。最も有名で痛快なのは、リンカーン・コンチネンタル・フェートン(写真)であろう。
少数のお金持ちのために変則的に作られたものも多い。そうでなければ、技術的な問題の解決に時間をかける価値がない。メルセデス・ベンツは2006年に「コンセプト・オーシャン・ドライブ」と名付けた、V12エンジン搭載の4ドアオープンカーのコンセプトを発表したが、その後は特に何の音沙汰もない。
3ドア・ハッチバック
皮肉なことに、多くのボディスタイルを駆逐したハッチバックも、時代の変化にさらされている。というのも、特に欧州ではメーカーに課せられるCO2排出量の基準が厳しくなり、都市向けの小型車そのものが存続の危機にあるからだ。
3ドアのヴォグゾール・コルサ(写真)やトヨタ・ヤリス(ヴィッツ)はもう手に入らないが、4ドアもいずれパンフレットから消えていくと思われる。
3シーター・クーペ
ベンチシートではなく、個々のバケットシートを備える3人乗りのクーペ。マトラ・シムカのバゲーラとその後継車ムレーナが旗手だった。ロータスよりも1人多く乗れるが、必然的にスペースは狭くなる。
その流れを変えたのが、運転席を中央にセットしたマクラーレンF1だった。他に誰も真似をせず、マクラーレンだけがスピードテール(写真)でこのスタイルを引き継いだのである。
ユーティリティ
昔は、実際に軍用車として使われていたものや、それを模したものを一般に販売していた。初代ランドローバーはもちろんのこと、ミニモーク(写真)のように、パラシュート降下で戦場に持ち込めるように設計されたものもあった。
ロールス・ロイス製エンジンを搭載したオースチン・チャンプ、ダイムラー・ベンツのウニモグ、シュタイア・プフ・ハフリンガー、フォルクスワーゲン・トレッカー(別名シング)やイルティス、スズキのLJ80、ビーチに似合うシトロエン・メハリなども登場した。これらは決してクロスオーバー車ではない。