【クルマのカタチ】消えていくボディスタイル 18選 時代の波に呑まれていったクルマたち
公開 : 2021.10.02 06:05
スピードスター
今ではかなりポルシェに特化した呼び方になっているが、歴史的には20世紀初頭にレース用に簡素化・軽量化されたロードスターを指す言葉だった。少量生産車(プリムス・プロウラーなど)や、ウィンドスクリーンがオプション設定のコンセプトカーにも使われている。
現在最もよく知られているのは、911スピードスター、モーガン・プラス8(写真)、アストン マーティンV12スピードスターあたりだろう。
コマーシャル
コマーシャル(商用車)とは税金を逃れるための策略であり、サイドウィンドウやリアシートのないバン形式のクルマをビジネスツールとして利用するものだ。英国ではリー・フランシスのような高級車に使われ、狩猟や釣りをする人のためのステーションワゴンやシューティングブレークになった。
最近では、ランドローバー・ディスカバリー・コマーシャルや短命に終わったミニ・クラブバン(写真)など、資金に余裕のある職人たちのブランディングに使われている。
また、環境規制も乗用車に比べて緩いことから、スズキがジムニーを商用車として英国へ導入した。
タルガトップ
フィアットX1/9(写真)、ダットサン280ZX、フェラーリ328 GTSなどでは、屋根を手動で着脱することが魅力の1つだった。
タルガとは、1966年に発売されたポルシェ911に初めて使われた言葉で、現在の992型の911にも採用されている。
ファストバック
事実上、これは名前の変更だ。ファストバックの多くは50年代、60年代、70年代のクーペであり、フォード・マスタング(写真)などが思い浮かぶ。
近年、BMWのグランクーペやメルセデスのCLSなど、リアがなだらかに傾斜した4ドア車がよく見られる。高級車だけでなく、ヒュンダイi30のファストバックも登場しているので、復活しようとしているのかもしれない。
ロードスターと2ドア4×4
購買層やファッションの変化によって、人気が低下しているモデルはたくさんある。ステーションワゴンは、長年のであるSUVに徐々に取って代わられている。ロードスターは、マツダMX-5(写真)やケータハムのように、全体に占める割合が少なくなってきている。
クーペはコスト面でますます不利になっている。2ドアの4×4も、商用車でない限り脅威にさらされている(前述のジムニーのように)。ラーダ・ニーヴァはしぶとく生き残っており、ジープ・ラングラーのようにすぐに新しいモデルが登場するだろう。