【1兆円以上の大投資】フォード 米国に大規模EV工場新設 最大級の「ブルーオーバル・シティ」構想
公開 : 2021.09.29 07:05
フォードはパートナー企業と協同で米国内に2つの新工場を建設し、EVとバッテリーの生産体制を強化します。
2つの「メガサイト」建設
フォードは、SKイノベーション社と協同で約114億ドル(約1兆2700億円)を投じ、「118年の歴史の中で最大、最先端、最も効率的な自動車生産施設」を建設すると発表した。114億ドルのうち70億ドル(約7800億円)をフォードが出資し、米国メーカーによるEVへの投資としては最大規模になるという。
フォードは、米国市場におけるEVの販売拡大の一環として、新たに2つの「メガサイト」を建設する。
テネシー州スタントンに建設される56億ドル(約6200億円)規模の「ブルーオーバル・シティ」は、EVのピックアップトラック工場、バッテリー製造施設、リサイクル、サプライヤーのネットワークで構成される。
フォードは、同工場で6000人の新規雇用を創出する一方、廃棄物を一切埋め立てず、完全なカーボン・ニュートラルを実現すると見込んでいる。同工場は、約14.6平方kmの敷地に広がる米国最大級の自動車生産拠点であり、太陽光発電や風力発電などの持続可能なエネルギー源を利用し、常時稼働するクラウドベースの技術を用いて品質と生産性のレベルを向上させる。
フォードは、初の電動ピックアップトラックとしてF150ライトニングを発表し、FシリーズのEVの拡大を目指している。Fシリーズは、大ヒットモデルであるF150から大型のF750まで幅広い。
一方、ケンタッキー州にはSKイノベーション社と協同で約58億ドル(約6400億円)を投じ、バッテリー工場を建設する。「ブルーオーバルSKバッテリーパーク」と名付けられたこの工場は、フォードとリンカーンのEV用パワーユニットを製造するもので、約5000人の従業員を雇用する予定だ。2025年にオープン予定で、年間86GWhのバッテリー生産能力を持つことになる。
フォードのジム・ファーリーCEOは、今回の発表について「当社にとって過去最大の投資」とし、「米国のより良い未来を築くことに貢献する」と述べている。
「わたし達は、画期的なEVを多くの人に提供するために動いています。これは、米国の家庭を支える良質な雇用、超効率的でカーボン・ニュートラルな製造システム、そして地域社会やディーラー、株主に価値を提供する成長事業を創出するためのものです」
今回の投資は、フォードが以前発表した2026年までに300億ドル(約3兆3000億円)以上をEVに投資する計画の一環である。フォードは、2030年までに全世界の自動車販売台数の40~50%を完全EVにするとしている。