【ぜんぶ分かる?】フォード傘下のブランド 24選 買収と売却、設立と閉鎖の歴史
公開 : 2021.10.03 06:05 更新 : 2021.10.03 07:13
コンチネンタル
フォードは、1956年の新型高級クーペの発売に合わせて、コンチネンタル部門を設立した。しかし、コンチネンタルが独立ブランドとして存在したのは、ごく短い期間であった。
フォードはすぐに方針を変更し、コンチネンタルはそれまでと同様にリンカーンが生産するクルマの車名となった。
メルクール
メルクールもまた、設立から5年で閉鎖されたブランドだ。メルクールは、欧州で開発されたモデルをベースにした2台のクルマを展開していた。1台は、一部の市場で3代目グラナダとして知られていたスコーピオだ。
もう1台は、シエラXR4の改良型である。シエラの名前は、北米ではGMが権利を持っていたため(GMCのピックアップトラックに使われていた)、フォードは使うことができず、代わりにXR4Tiという名が与えられていた。
ドイツ製のため、ドイツマルク高騰のあおりを受け、米国のコンパクトカー市場で成功を収めるには価格が高くなりすぎた。
プレミア・オートモーティブ・グループ
プレミア・オートモーティブ・グループ(PAG)という名称は、単一のモデルに付けられることはなかった。当時フォードが保有していた5つの高級車メーカーを総称したものである。
このグループの中で唯一の米国ブランドであり、現在もフォードが所有しているのはリンカーン(写真は1998年のナビゲーター)だけである。その他のブランドは徐々に他社に売却され、1999年の設立から約10年後にPAGは消滅した。
他のブランドとは、アストン マーティン、ジャガー、ランドローバー、ボルボのことで、この4ブランドはこれから個別に説明する。
アストン マーティン
1913年に設立されたアストン マーティンは、1987年にフォードが名乗りを上げるまで、幾度かの金融危機やさまざまなオーナーの下、なんとか存続してきた。それまでよりもはるかに多額の資金を得て、フォードの技術を利用できるようになったアストン マーティンは、新たな安定期に入った。
1999年には、前述のプレミア・オートモーティブ・グループに組み込まれた。しかし、2007年にフォードがアストン マーティンを売却したことで、この関係は終わりを告げた。アストン マーティンを皮切りに、PAGは徐々に解体されていったのである。
ジャガー
フォードは、アストン マーティンを買収した直後にジャガーも買収し、往年のライバルである2社を傘下に収めた。フォードがプレミア・オートモーティブ・グループを設立した際に、ジャガーもその一員となった。
その2年後にはXタイプ(写真)を発売したが、フォード・モンデオと同じプラットフォームを使用しているという点で批判を集めた(今日ではあまり考えられないことだが)。2008年、ジャガーはインドの巨大企業タタ・グループの子会社であるタタ・モーターズに売却された。