【2022年の人気2番手予想】アウディQ4 eトロン(1) 長期テスト ブランドへの期待

公開 : 2021.10.09 09:45  更新 : 2021.11.11 13:18

アウディが純EVでのプレゼンス拡大を狙う、Q4 eトロン。電動時代における新ファミリー・クロスオーバーのプレミアムな魅力を確認します。

初回 2022年にはA3に次ぐ人気モデルへ

執筆:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
近い将来、内燃エンジン車より電気自動車が多く売れる日がやってくる。英国で3番目に売れているブランドの2番人気のクルマが、約500km走れる電動コンパクト・クロスオーバーになるだろうという事実。その日の到来は、意外に早いかもしれない。

2022年には、最新のアウディQ4 eトロンはA3に次ぐ人気モデルになるだろうと英国では予想されている。A1やA4、Q2やQ5というモデルを差し置いて、純EVのクロスオーバーが上位に食い込んでくるというわけだ。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

Q4 eトロンは、大きなクロスオーバーのeトロンや、サルーンのeトロンGTに続いて登場した、アウディとしては3番目の電気自動車。内燃エンジンを搭載したモデルは、2032年以降販売しないという目標が現実味を帯びてきた。

eトロンやeトロンGTとは異なり、Q4 eトロンは、アウディのAやQという頭文字を用いたモデル名ルールに則っている。4という数字が示すとおり、ボディサイズはよりSUV的なボディを持つQ3に近い。

AUTOCARでは何度か試乗しているからQ4 eトロンをご存知かもしれないが、これは純EV専用モデル。PHEVなどはラインナップされない。

長期テスト車としてやってきたのは、英国ではミドルグレードになる40。最高出力203psを発揮する駆動用モーターをリアに搭載し、実容量77kWhの駆動用バッテリーで、508kmの航続距離を得ている。アウディなのに後輪駆動だ。

アウディとしての差別化に課題

英国のエントリーグレードとなるのが、35。駆動用モーターの最高出力は170psになり、駆動用バッテリーも52kWhへ小さくなる。トップグレードが50で、バッテリー容量も大きくなり、駆動用モーターも前後に2基搭載する。

システム総合での最高出力は299ps。アウディらしく四輪駆動だ。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

トリムグレードはスポーツを選んだ。Sラインやフォアシュプルングより下だが、装備に不足はない。

19インチのアルミホイールにスポーツシート、3ゾーン・エアコン、MMIインフォテインメント・システムと10.1インチのタッチモニター、モニター式のメーターパネルなどが備わる。

スポーツのQ4 eトロン 40の英国価格は4万4990ポンド(683万円)から。長期テスト車にはオプションが満載で、5万ポンド(760万円)を超えている。

その内容は、ナバラブルー・メタリック塗装にマトリックスLEDヘッドライト、テクノロジー・パッケージ、20インチの5スポーク・ホイールなど。総額は5万2685ポンド(800万円)となった。

フォードマスタング・マッハEやフォルクスワーゲンID.4など、ライバル関係にある純EVのクロスオーバーと比較して、1万ポンド(152万円)は高い。

アウディQ4 eトロンは、MEBと呼ばれる純EV専用のプラットフォームを採用している。フォルクスワーゲン・グループで共有されるもので、これまでの試乗では、アウディとしての差別化に課題が残ると感じている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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