【ドアで選ぶ? 全高で選ぶ?】スズキ「ワゴンRスマイル」の狙う市場
公開 : 2021.10.04 19:45
走りとADASで分かるターゲット層
スマイルに搭載されるエンジンは、マイルドハイブリッドとした自然吸気(NA)だけとなる。
パワーユニットはハスラーに搭載されたものと同じで、最高出力は49psだ。組み合わせるトランスミッションは軽乗用車では一般的なCVTを採用するが、アクセルの動きに比較的リニアな反応でスタートする。
ただ、アクセルを少し強めに踏むもんならエンジン音が高まり、その割にスピードが上がっていかない。その意味でスマイルは、緩めにしずしずと街乗りするのが似合うクルマと言えるのではないだろうか。
また、軽乗用車でも搭載が珍しくなくなってきたアダプティブクルーズコントロール(ACC)は、上中位グレードであっても「セーフティプラスパッケージ」としてオプション扱いとなる。
この辺りを踏まえても、高速道路を使って遠くまで走るユーザー層はあまりターゲットとしていないことがわかる。ただ、誤解のないように伝えておくと、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報機能などをセットにした「スズキセーフティサポート」は全グレード標準としている。
見逃せないのはヘッドアップディスプレイの採用だ。
セーフティプラスパッケージに含まれるこの機能は、運転席前方のダッシュボード上に車速、シフト位置、各種警告などをカラーで表示できるもの。
ドライバーの視線上で必要な情報が表示できるので、運転に不慣れな初心者をはじめ、注意がついおろそかになりがちな高齢者にとっても役立つこと間違いなし。
スズキはこの機能をワゴンRで初採用し、スペーシアにはフロントガラス投影式を展開するなど、積極的に搭載を進めている。そうしたスズキの安全へのこだわりは高く評価したい。
ハイト系ワゴンの市場 どうなる?
今回試乗できたのは、ラインナップ中、最上位グレードの「ハイブリッドX」で、セーフティプラスパッケージ装着モデルだ。
他にグレードとしては、中位の「ハイブリッドS」、下位の「G」があり、それぞれFFと4WDが選択できる。
上位2グレードは“ハイブリッド”としているものの、システム的にはマイルドハイブリッドで、燃費として若干効果がある程度だ。
前述したようにラインナップにターボはなく、NAのみの展開となる。実は直接のライバルとなりそうなダイハツ「ムーヴ・キャンバス」もエンジンラインナップは同様。
まさにスマイルはそのライバルを研究した上で生み出された、後発ならではのプラスポイントが最大の武器だ。
このスマイルの登場により、スライドドアを備えたハイト系ワゴンへの人気にさらに火が付く状況になりそうだ。
ワゴンRスマイル・ハイブリッドX スペック
ワゴンRスマイル・ハイブリッドX(FF)
価格:159万2800円
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1695mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):25.1km/L
CO2排出量:92.5g/km
車両重量:870kg
エンジン形式:657cc直3+モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):49ps/6500rpm
最大トルク(エンジン):5.9kg-m/5000rpm
最高出力(モーター):2.6ps/1500rpm
最大トルク(モーター):4.1kg-m/100rpm
ギアボックス:CVT
乗車定員:4名