【手頃なEVを4年後に】フォルクスワーゲンID.ライフ・コンセプトへ試乗 ID.2の前触れ 後編

公開 : 2021.10.11 19:05

量産版ID.2へは多くの変更や開発も必要

ID.ライフを実際に運転してみても、フォルクスワーゲンが主張する鋭い加速性能や航続距離を確かめることはできなかった。最高速度が28km/hに制限されているためだ。

低い最高速度に達すると、駆動用モーターからは大きな唸り音が響いてくる。フロントガラスの上付近からは共鳴するような風切り音も、ファブリック製のルーフを通じて聞こえてくる。

フォルクスワーゲンID.ライフ・コンセプト
フォルクスワーゲンID.ライフ・コンセプト

ステアリングホイールの操舵感は軽く、とてもダイレクト。だが操縦桿風の形状は、狭いところでの切り返しがしにくく、手応えなども充分とはいえない。直進状態では、小さな入力に対して好感触に反応してくれる印象ではあった。

とはいえ、ID.ライフは手作りのコンセプトカー。量産版のID.2が備えるであろう品質とは異なる。

ホイールは見た目重視の20インチ。235/45というサイズのコンチネンタル社製エコタイヤを履いていた。今のところ、ID.ライフのオンライン上での反応はだいぶ良いようだ。

ID.ライフからTクロスの純EV版に相当するID.2を作るに当たり、多くの変更や開発が必要なことは間違いない。だがフォルクスワーゲンが、手頃な価格の電気自動車開発へ取り組んでいることは、今回の試乗で再確認することができた。

コンセプトカーを試乗させてくれたフォルクスワーゲンには感謝したい。ID.3を大幅に下回る価格の付いた、最新のデザインとパッケージングを備えた新モデルの登場を、心待ちにしていよう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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