【歴代ボンドカー傑作選】映画「007」シリーズ 世界最高のスパイが選ぶ名車と珍車

公開 : 2021.10.09 06:05

トヨタ2000GTコンバーチブル(1967年「007は二度死ぬ」)

ボンドには素晴らしいチョイスだ。ゴージャスなだけでなく、見た目にも魅力的で、日本初の本格的なスポーツカーとして重要なクルマでもある。2.0Lの6気筒エンジンは、ヤマハのツインカムヘッドと3連キャブレターにより、当時としては十分なパワーを発揮し、ハンドリング、乗り心地、操縦性も優れていた。

しかし、ショーン・コネリーは背が高すぎて、この居心地の良い空間にゆったりと収まることができないことがわかった。そこで、ルーフを切り落としてクールなオープンカーにすることで解決を図った。

トヨタ2000GTコンバーチブル
トヨタ2000GTコンバーチブル

残念ながら、この改造はボディ剛性に壊滅的な影響を与え、研ぎ澄まされたスポーツカーを、砂の城のような不安定なものに変えてしまったようだ。

ロータス・エスプリS1(1977年「私を愛したスパイ」)

初期のエスプリは流麗でセクシーで、夢のようなクルマだった。しかし、実際には初期トラブルに悩まされ、製造の不正確性から構造的にもやや問題があった。

トラックをかわしたり、サイドカーを撃破するのには優れているが、もし本当に海に潜るとしたら、ホイールハウスにフィンを付けるだけでなく、車内に呼吸装置が必要になるだろう。

ロータス・エスプリS1
ロータス・エスプリS1

ボンドがクルマをビーチで走らせながら、窓から魚を落とすシーンを覚えているだろうか?そもそも魚はどうやって入ってきたのか?筆者の推測では、パネルの隙間から入ってきたのではないだろうか。

シトロエン2CV 6(1981年「ユア・アイズ・オンリー」)

筆者は長年2CVを愛用している。スタイルと運転の楽しさを象徴するこのスリリングなクルマには何の欠点もない。反俗物的なファンにとっては、ボンドが乗るクルマとして非常にクールなチョイスだった。

2CVは、暖かさを感じられる外観と、その見た目通りのハンドリングのおかげで、完全なるアンチヒーローになっていた。もっとも、プジョー504に乗った悪党集団とカーチェイスを演じることができたというのは、ちょっと信じがたいのだが。

シトロエン2CV
シトロエン2CV

BMW Z3(1997年「ゴールデンアイ」)

もしこれがZ3Mだったら大喜びするところだが、そうではなかった。発売前に撮影されたZ3は、1.9Lの4気筒エンジンを搭載していたのだ。

当時ボンド・カーを選んだ人たちにとっては、どのクルマが勇敢な公務員に最適かというよりも、どの会社が一番お金を払ってくれるかということに興味があった。Z3は画面には数秒しか映っていないが、そのことを示すには十分だった。

BMW Z3
BMW Z3

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