【300馬力の爽快ワゴン】フォルクスワーゲン・パサートR36(B6) 英国版中古車ガイド
公開 : 2021.10.14 08:25
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ジョー・アーガー
「アウディRS4 アバントではなく、パサートR36 ヴァリアントを2年前に選んだ理由は、価格が安かったから。エンジンは素晴らしいサウンドを聞かせ、レスポンスも鋭い。年式の割に、路上でのフィーリングもバッチリです」
「毎日の移動手段としてだけでなく、週末には自転車を積んで遠出しますが、目立った不具合は起きていません。燃費が悪くお金はかかりますが、希少性がそれを上回ると思います」
「毎日のように運転しても、別のR36と出会うことは1か月に1度あるかないか。多くの人が初めて見ると、珍しそうにクルマへ近づいてきますよ」
購入時に気をつけたいポイント
トランスミッション
オーナーの中には、ゴルフR32と共有するデュアルクラッチATの不具合を報告する人がいる。交換は安くないため、使用歴を確認し、マニュアル・モードでもオート・モードでも滑らかに違和感なく変速できるか確かめたい。
ブレーキ
3万2000km毎での、ブレーキディスクとパッドの交換を推奨したい。R36の車重は1747kgと軽くなく、積極的な走りを繰り返すと減りも早い。リビルドされたブレーキキャリパーは、英国ではペアで300ポンド(4万5000円)程度で手に入る。
エンジン
タイミングチェーンで寿命は長いものの、走行距離とともに徐々にチェーンは伸びる。カムのポジションセンサーが不調になり、点火タイミングが狂う可能性はある。
タイミングチェーンの交換作業は、トランスミッションと一緒にエンジンを降ろすことになる。安くはできない。
ボディとホイール
大きめのボディと低めの車高、大径ホイールを履くR36は、ホイールのガリ傷やボディの擦り傷を受けやすい。残存台数は少ないから、本当に欲しいなら多少の傷は妥協するべきかもしれない。
ボディが錆び、塗装が気泡のように浮くこともある。進行する前に補修すれば、費用も安く済む。
燃料
パサートR36は、プレミアム(ハイオク)ガソリンの指定。給油時は高く付くが、守っておきたい。自然吸気のV6エンジンは、注がれたガソリンに応えてくれるはず。
知っておくべきこと
パサートR36に、状態の良い同時期のRS4アバントと同じ体験は求められない。また中古車としては手頃な価格だが、カタログ燃費は9.5km/Lに留まった。CO2の排出量は249g/kmに及ぶため、英国では税金も安くない。
整備費用やスペアパーツ代もフォルクスワーゲンとしては高い。存分に楽しむには、不足ない予算立てが必要になる。