【小さくても楽しい】最高のホットハッチ 10選 コンパクトな車体にスポーツカー並の性能
公開 : 2021.10.16 06:05
3. メルセデスAMG A 45 S
メルセデスAMG A 45 Sは、5万ポンド(約760万円)以上する4輪駆動のホットハッチであり、422psと50kg-mを発揮する2.0L 4気筒エンジンを搭載している。地球上で最も強力な量産型4気筒エンジンを積み、フェラーリ488ピスタよりも高い比出力を持つという、ある意味まったくもって馬鹿げたクルマなのだ。
とはいえ、そのスポイラーやフィン、フェンダーの下には、驚異的なドライバーズカーが眠っている。直進性が非常に高いことは言うまでもないが、それ以上に驚かされるのは、その複雑なステロイド系ドライブドレインが、単にツーリングをしているときにはとても大人しく、制御しやすいということだ。
高速走行時のボディコントロールはしっかりしているが、シャシーには偽りのない快適性を残している。一方でグリップは傑出しており、電動アシスト・ステアリングラックからの正確さ、重み、質感のフィードバックは、クラス最高レベルに達している。
マルチな才能を持つホットハッチバックとして、A 45 Sは間違いなく成功を収めている。しかし、5万ポンドを超える価格設定は、ホットハッチが本来目指すべき「比較的手頃な価格」の領域から大きく逸脱しており、これをチャンピオンにするのは少々問題があるだろう。だが、このマシンは素晴らしいものだ。
4. フォルクスワーゲン・ゴルフR
フォルクスワーゲンのスーパーゴルフとして高い評価を得ている4輪駆動のゴルフRが、最新モデルで大きな進化を遂げた。
20年前、V6エンジンを搭載したR32がアルファ・ロメオ147 GTAと競い合っていたように、フォルクスワーゲン正規ディーラーで買えるハッチバックの中で最も刺激的なモデルであったが、最新モデルは少しテイストが異なる。最高出力320psの2.0Lターボはラインナップでは圧倒的だが、他のドイツ製ライバルには及ばない。
しかし、エンジン以外にも武器はある。従来よりも高剛性で、車幅が広く、ブレーキの効きも良くなっている。アダプティブ・ダンパーを装着し、完全トルクベクタリング方式の4輪駆動システムを採用している。このシステムは、前輪と後輪だけでなく、後輪の左右いずれかにトルクを割り振ることができる。さらに、オプションで「ドリフトモード」も用意されている。
8代目ゴルフは、7代目とは少し違ったキャラクターになった。先代で人気を博した、しなやかさ、安定性、速さのちょうどいいバランスが失われた一方で、そのバランスを補うために優れたボディコントロールとグリップが与えられた。
先代の「すべての移動に持ち出せる速いクルマ」という魅力を気に入っていた人にとっては、8代目は少し刺激が強すぎるように感じられるかもしれないし、低速域ではやや扱いづらい印象を受けるかもしれない。しかし、このクルマのダイナミクスが大幅に向上していることは否定できない。