【小さくても楽しい】最高のホットハッチ 10選 コンパクトな車体にスポーツカー並の性能
公開 : 2021.10.16 06:05
5. ルノー・スポール・メガーヌRS 300トロフィー
第4世代のメガーヌRSは、単なる気取り屋のためのホットハッチではない。カップ仕様のこのクルマは、ハードな走りと鋭いエッジを持つ戦闘機であり、その性能を最大限に引き出すためには、真剣なドライビングと少々の妥協が必要となる。
4輪操舵により、タイトなカーブではホイールベースの長さが事実上打ち消され、非常にシャープなハンドリングを実現している。また、油圧式のバンパーにより、どんな衝撃も”耐えられる”ものとなっている。一方、1.8L 4気筒エンジンは十分なパフォーマンスを発揮するが、加速や高回転域での柔軟性は少し不足がある。
キャビン全体も人間工学的に優れているとは言えない。しかし、適切な道路と適切な環境、あるいは適切なサーキットでは、多くの魅力を感じられる。もし、硬めのセットアップを好む市場の声を無視して、柔らかいサスペンションの仕様を選択すれば、日常的な使い勝手とスリルを両立したホットハッチを手に入れることができる。
6. BMW M135i & 128ti
エンジンのシリンダー数を50%減らし、後輪駆動をやめたことで、新型BMW 1シリーズのパフォーマンスモデルであるM135i xドライブは、より優れたホットハッチになった。奇妙なことだと思うかもしれないが、実際にそうなったのである。
優れているというのは、よりパワフルになったとか、最高にエキサイティングになったという意味ではないことは明白である。先代のM140iのパワートレインとシャシーには確かにその片鱗があったが、2019年に登場したM135i xドライブは、より落ち着きのあるパフォーマンスカーとなり、運転しやすく、コミュニケーションも取りやすくなった。
BMWはこのM135i xドライブのハンドリングと仕様を改良し、4輪駆動システムを半分に削ぎ落として、2020年に128tiを誕生させた。トランスミッションはATのみで、他のモデルほどダイレクトな興奮は味わえないが、高速走行の素質は十分に持っている。
使い勝手が良く、普通のクルマよりも少しだけダイナミックに洗練されたクルマが好きなら、128tiは検討する価値がある。
7. フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
フォルクスワーゲンの長寿モデルであるゴルフGTIは、手頃な価格のパフォーマンスカーとして重要な位置を占めてきたが、最新モデルでは毛色が少し違ったものになっている。
フォルクスワーゲンは新型ゴルフGTIで、より優れたハンドリング・レスポンスとドライバーズカーとしての魅力を追求したが、その成果は微妙なものだった。それどころか、GTIが長年培ってきたスイートな乗り心地に悪影響を与え、歓迎されない硬さを持ったクルマになってしまった。
とはいえ、ゴルフGTIが日常的に楽しく運転できる優れたドライバーズカーであることは間違いない。最高出力245psの2.0Lエンジンは、ライバルに比べてややパワー不足で、少し回転が遅いと感じることもあるが、力強くてレスポンスのよい推進力を発揮し、シャシーもこれに十分応えてくれる。
新しい硬めのスプリングを採用したことで、凹凸の激しい田舎道よりも滑らかな路面での走行性が向上しているが、アダプティブ・ダンパーを使用することで、ある程度の乗り心地の調整が可能だ。ステアリングも改められたが、まだ少し軽くて、麻痺しているような感覚がある。日常的な使用で気になるほどではないが、ドライバーを夢中にさせる魅力は多くない。
上位モデルのGTIクラブスポーツでは、エンジンスペックが300psと40kg-mに向上し、最終駆動比が減少、サスペンションも強化される。しかし、このリストの中で最もバランスが良く、最もエキサイティングで、最もドライバーを楽しませてくれるクルマではない。