【NボックスEVは2030年頃?】日産/三菱先行する「軽EV」 ホンダ/スズキ/ダイハツどう出る?
公開 : 2021.10.11 05:45
スズキ 「充電難民生まれぬよう」
筆者はスズキが2021年8月27日にオンラインで行った新型ワゴンRスマイルの発表記者会見の際、鈴木俊宏社長に対して次のように質問した。
「今回のワゴンRスマイルは、ワゴンRの単なる派生車というより、スズキの軽自動車事業の中核であるワゴンRが、時代変化とともに軽自動車が変化が始まるという、新たなるスタートポイントという解釈で良いか?」
「そのうえで、スズキの中核モデルである軽自動車としてのワゴンRは今後、電動化がさらに進んでも永遠に不滅なのか?」
これに対して鈴木社長からの答えは以下のとおりだ。
「時代とともに、お客さまのニーズが変わってきている。ワゴンRとしても安住してはいられない。今後も、変化していくと思う。(中略)そうした中で、(EVを含めた)電動化はもちろん視野に入れている」
「ただし、車両開発だけでは(軽EVなど電動化EVの普及)は難しく、充電インフラ含めて(政府の)政策が重要だ。メーカーがEV先行で販売しても、充電難民が生まれてはいけない」
「(こうした電動化/EV化の観点を含めて)時代変化にあわせて、ワゴンRもしっかり変化していく。お客さまのニーズを読み取りながら、(電動化/EV化)はステップ・バイ・ステップで進める。ワゴンRは変化し続け、永遠に不滅だ」
では、ダイハツはどうなる?
ダイハツの戦略 やはりトヨタ主導か
ダイハツはトヨタの完全子会社であることから、EVを含めた電動化戦略についてもトヨタの事業戦略として、トヨタの意向が大きく影響することは間違いない。
現状で、トヨタの小型EVに対する考え方は、短距離移動でのシティコミュータとして2座席のCポッドがある。
これは、国が2010年代から全国各地で進めてきた、超小型モビリティの実証試験を踏まえてトヨタが量産を決断した新領域だ。
また、先ごろトヨタは立ち乗り式小型モビリティのCウォークTを発売しているが、今後は車いすとの脱着式と、電動車いすタイプのあわせて3モデルが市場導入される計画だ。
これをトヨタでは歩行領域EVと呼ぶ。
こうした中で、トヨタがダイハツに対して、どのタイミングで軽EV量産化のGOをかけるのか、現時点では見通すことは難しい。
ダイハツとしては当面、ロッキーでシリーズハイブリッドを投入し、同システムをライズにも展開することで、日産ノート・シリーズをはじめとするeパワー対抗策を明確にすることが優先されるように思う。
トヨタ/ダイハツとしては、EV化による軽規定の在り方に踏み込んで、量産する小型電動モビリティとの棲み分けを、市場の声を聞きながら着実に進めることになるだろう。
日産/三菱が先行する軽EVの領域。果たして、乗用と商用でどのような形で普及が進むのか、その動向をしっかりと追っていきたい。