【どんな層が購入?】日産ノート・オーラ マーケティング予測的中 輸入車からの乗り換えも
公開 : 2021.10.12 05:45
予想外 輸入車からの乗り換え勢
次は、乗り換え前のクルマについてだ。
まず、日産として自社銘柄で、ノートとノート・オーラを比較した。
それによると、ノートの場合、歴代ノートからの乗り換えを主体としたコンパクトクラスからの乗り方が全体の56%で、コンパクトクラスより大きな車格からのダウンサイザーは35%である。
対するノート・オーラでは、コンパクトクラスが44%で、ダウンサイザーが48%と増えている。
ダウンサイザーとしてはSUVや中型ミニバンが最も多く、リーフからの乗り換えも一定数ある。
一方で、日産以外の多銘柄で見ると、ノートはコンパクトクラスが33%で、ダウンサイザーが37%だ。
これがノート・オーラになると、コンパクトクラスが28%で、ダウンサイザーが46%となり、日産側として商品企画としての「想定内だ」という見方をしている。
ただし、日産として想定外だったのが、輸入車が8%も占めたことだ。
そもそも、日産のブランド戦略として、ノート・オーラは「プレミアムコンパクト新市場の形成」を掲げて、日系ではミドルクラスのハイブリッド車、さらに輸入車もターゲットとしていたとはいえ、初期受注で輸入車から乗り換え8%という数字に「かなりビックリした」(日産マーケティング担当者)という。
4WD 走りのニスモにも設定?
次に、2021年8月17日発表のオーラ・ニスモについてだ。
受注総数は1857台。年齢別では、50代(36%)、40代(23%)、60代(22%)、30代以下(13%)、そして70代以上(7%)となり、50代以下が71%とノート・オーラと比較して若い。
ボディカラーはピュアホワイトパール/スーパーブラック2トーンが56%と圧倒的に多い。
そのほか、オプション設定では、レカロシートが25%と走りへのこだわりが強いユーザーが多いことがはっきりと分かる結果となった。
さて、現在オーラ・ニスモは2WDのみの設定だ。
前述したeパワー4WDは走りを追求する「ニスモ」と相性が良いのではと思う人も少なくないだろう。
この点について、日産の商品企画担当者は「(4WDでは当然)車両重量が重くなるというジレンマがある。元気な走りと走りの安定性を重視して、(まずは)軽さに特化したFFで設定した」と説明した。
市場からは「オーラ・ニスモ4WD」に対する要望があることは十分承知していると答えたものの、計画中、または考慮したい、といった前向きな答えは聞けなかった。
ノート・オーラについて、日産は月販計画台数を設定してしないが、ノートとノート・オーラの販売比率は7対3を想定しており、ノートが月8000台目標のため、ノート・オーラは3000台強といったところだ。
10月7日時点の実績で見れば、当初計画のざっと3倍という好調な販売実績である。