【過少評価されてる?】陰の実力車 令和の隠れヒットモデル4選

公開 : 2021.10.10 05:45

筆者が販売台数を調べて驚き。「意外に?」しっかり売れている令和のヒット車の4台を紹介します。

ハッチバックの陰にかくれて?

執筆:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ)
編集:Taro Ueno(上野太朗)

「きっと売れているんだろうな」とは思いつつ、数字が出ていないため、過小評価されているモデルがある。その筆頭が、トヨタの「ヤリス・クロス」だ。

ヤリス・クロスは、コンパクトハッチバックである「ヤリス」のSUVバージョンとして、2020年8月31日にデビュー。

トヨタ・ヤリス・クロス
トヨタ・ヤリス・クロス

ところが、その販売台数はシリーズの一員として「ヤリス」に含まれ、公表されることはなかった。

そのためヤリス・クロスは、「売れているのだろうけど、それほどではないのは」と軽く考えていた人も多いはずだ。

なぜなら、ヤリスは新車販売ランキング(一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べ/乗用車ブランド通称名別順位・軽自動車を除く)で、2020年4月、5月、7月、8月と月間1位が続いていた。

つまり、ハッチバックのヤリスだけでも連続1位になるほど売れていたのだ。

そのため2020年1~12月の年間ランキングでヤリスが1位を獲得しても、「ヤリス・クロスも貢献したけれど、もともとの勢いがあったから当然だろう」とのように見えてしまったのだ。

ところがトヨタにヤリス・クロスの個別の販売数を問い合わせたところ、大変なことが分かった。

それは、ヤリス・クロスの販売台数が、予想以上に多かったのだ。

ヤリスヒットの功労者「クロス」

トヨタに問い合わせてわかった、ヤリス・クロスの2020年8~12月の販売台数は3万2810台。

これは年間15万1766台だったヤリスの販売のうち約2割にもなる。

トヨタ・ヤリス・シリーズ
トヨタ・ヤリス・シリーズ    トヨタ

そして、その勢いは、2021年に入ってさらに強くなり、1~6月だと5万5150台、1~8月末までで7万6430台も売れている。

2020年8月から2021年8月までの約1年でいえば10万9240台も売れているのだ。

ちなみにヤリス・クロスの発売は、8月31日なので、2020年8月から2021年8月といっても、実質的には1年+1日となる。それでも約11万台という数字は立派なものだ。

このヤリス・クロスの年間約11万台という数字を2020年の年間販売ランキングにあてはめれば、1位ヤリス(15万1766台)、2位ライズ(12万6038台)、3位カローラ(11万8276台)に次ぐ。

ヤリスの2020年の数字からヤリス・クロスを除くと、ヤリス単体の2020年の販売台数は11万8956台となる。

ヤリス・クロスの1年間の販売台数と近い数字だ。

実際に、ヤリス・クロスは2021年になって数字を伸ばしており、2021年中のヤリスの販売に関していえば、ヤリス・クロスが約半数に迫るほどに売れている。

まさに、隠れた大ヒットモデルである。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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