【eTSIからGTIに変更】フォルクスワーゲン・ゴルフ(8) 長期テスト 高いハードル

公開 : 2021.10.23 09:45

見た目以上に車内の違いは大きい

それ以外、基本的には変更を加えていない。GTIに搭載されるエンジンは、2.0Lの4気筒ターボエンジン。最高出力245psを発揮する、フォルクスワーゲン・グループでは名の通ったEA888型ユニットだ。

トランスミッションは6速マニュアル。シフトノブは肉厚で、握り心地が良い。eTSIではシンプルに、小さなセレクター・スイッチが付いていただけだったから、好対照といえる部分だと思う。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)

やる気を感じさせる太いマフラーやスポイラー、GTI専用のフロントバンパーなど、通常のゴルフとの見た目の違いは小さくない。だが、車内の印象は更に大きく違う。

シートは、GTIといえばのタータンチェック。それ以外にも、ライフグレードのeTSIから明確にアップグレードされている。スポーツ・ステアリングホイールは骨太な感じで、スポーク部分にはボタンではなく、タッチセンサーが配された。

ダッシュボードの装飾トリムにはハニカム状の模様があしらわれ、インフォテインメント用タッチモニターとメーター用モニターには、GTI専用のグラフィックが与えられる。

スポーツシートもひと回り大きく、豪華でサイドサポートが高い。それでいて同等に快適でもある。

レシピの洗練具合を味わいたい

AUTOCARの試乗テストをお読みいただいた方もいらっしゃるかと思うが、8代目ゴルフGTIは従来より若干ハードコア寄りにシフトしている。角の丸さは薄まり、少し生々しいホットハッチに仕上がっているようだ。

確かに、乗り心地は7代目ゴルフGTIより硬くなった印象。慣れることはできるだろうか。今後の長期テストで、どんな印象を得られるのか興味深いところ。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)

しなやかさのあるシャシー設定に、適度にチューニングされたエンジン、滑らかなMTという組み合わせによる喜びが、ゴルフGTIへの筆者の第一印象。従来通り洗練されたレシピといえるのか、時間をかけて味わってみたい。

テストデータ

気に入っているトコロ

タータンチェック:ゴルフGTIにはセットといえる、クラシカルなデザイン。ID.4 GTXにこのチェックが採用されなかったことが、疑問でもある。

気に入らないトコロ

スピードの単位:交通標識の認識機能が備わるが、km/hへ自動的に変換されてしまうことがある。英国はどこでもマイル表示なのだが。

テスト車について

モデル名:フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)
新車価格:3万3525ポンド(509万円)
テスト車の価格:3万7230ポンド(565万円)

オプション

ダイナミック・シャシー・コントロール:785ポンド(11万9000円)
メタリック塗装:770ポンド(11万7000円)
ヘッドアップ・ディスプレイ:625ポンド(9万5000円)
GPSトラッカー:540ポンド(8万2000円)
ウインター・パッケージ:470ポンド(7万1000円)
リアカメラ:300ポンド(4万5000円)
デジタルキー:215ポンド(3万2000円)

テストの記録

燃費:15.2km/L
故障:なし
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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