【リスペクトすべき進化】シボレー・コルベット C8 3LTへ試乗 ミドシップの衝撃 前編

公開 : 2021.10.22 08:25  更新 : 2022.08.08 07:23

コルベットらしい見た目といえるのか

シボレー・コルベットC8を目の当たりにすると、見慣れた要素と見慣れない要素が不思議にブレンドされている。車内に座ると、一層その感覚が強くなる。

ボディの見た目はコルベットらしいというより、フェラーリF430のような雰囲気を感じる。F-22ステルス戦闘機のようでもある。現代のスポーツカーらしいともいえる。

シボレー・コルベット C8 3LTクーペ(欧州仕様)
シボレー・コルベット C8 3LTクーペ(欧州仕様)

主要市場となるアメリカは、歴代のコルベットを愛している。批判的な見方をする人も、彼の地なら少ないだろう。でも、コルベットらしいと感じるだろうか。個人的には即答が難しい。

長いボンネットに大きなエンジンを押し込んだ、従来までのFRプロポーションは失われた。コルベット初のミドシップだから、難しい課題だったことは想像できる。

C7のコルベットより、ドライバーズシートは300mmほどクルマの前方にある。シートに腰を下ろすと、前方に伸びていた長いボンネットも、リアアクスルの直前に座ったような感覚も、なくなっていた。

ドライビング・ポジションは従来より良い。座面の高さも、やや下げられている。でも身長の高い人は、頭上空間が少しタイトに感じられるだろう。フロントガラスの上端が、目線のすぐそばに来る。

ドライバーは、コルベットのほぼ中央に座る。実際、典型的なミドシップ・レイアウトらしく、シャシーがドライバーの腰のあたりを軸に旋回するような感覚を備えている。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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