【燃費より走りの質感】日産ノート・オーラG FOURレザー・エディション試乗
公開 : 2021.10.15 05:45
ツーリングカーの味わい
ノート同様にオーラも油圧回生協調電子制御ブレーキ非採用。
効率よく回生するにはエコ/スポーツモードかBレンジを選択してエンブレ回生を強化する必要がある。
この状態で市街地走行ではエンジンの稼働時間は少ないのだが、巡航中心になるとエンジン稼働時間は長い。
だが、エンジン稼働走行でもストレスはない。
エンジン騒音そのものが低く抑えられているので、エンジン稼働走行が大半となる高速巡航でもコンパクトクラスではトップレベルの静粛性を示した。
快適性のもう1つの要点となる乗り心地は硬め。
テストコースの試乗でも感じられたが、路面状況が悪い公道では細かな目地を拾いやすい。
ノートよりも多少神経質に感じられるのは装着タイヤサイズの影響と思われる。
ただし、粗野な印象はなく、乱れ少なく収まりのいい挙動と相まって良質なツーリングカーの味わいだ。
初期追従を強調した操舵特性はちょっと演出しすぎのきらいはあるものの、コンパクトカーらしい軽快感を得られる。
また、定常円旋回への移行は穏やかであり、コーナリング中の加減速でも落ち着きのあるラインコントロール性を示す。
試乗車が4WD仕様だったことも操安面の印象を高めている。マニアックなスポーツ性ではないが、これもまたオーラのツーリング適性を高めていた。
「燃費」より「走りの質感」
省燃費を目的とした場合、オーラはそれほど魅力的なモデルではない。これはノートも同じである。
例えば、オーラのWLTC総合モード燃費はFF車で27.2km/L、試乗した4WD車なら22.7km/Lだ。
ヤリス・ハイブリッドはFF車なら35.4km/L、4WD車は30.2km/L、カローラ・スポーツ・ハイブリッドでもZを除けば30.0km/Lである。
実燃費との状況や運転スタイルの燃費への影響も大きめであり、燃費最優先でハイブリッド車を考えているユーザーには勧めにくい。
しかし、オーラの走りがシリーズ式ハイブリッドの利点を最大限に引き出した結果なのも間違いない。
走りの質感向上を最優先として開発されたハイブリッドといっても的外れではないだろう。
その領域では間違いなくコンパクトクラスで最良であり、ライバル車に燃費で多少遅れを取っても補って余りあるセールスバリューに繋がる。
また、コンパクトハイブリッド相対で燃費のアドバンテージが少ないといっても、乗用車全般で比較すれば相当優秀。
オプションのプロパイロットを装備すれば走行性能面の高速長距離適性はコンパクトカー最上位。
そして車格を超えた良質な走行感覚。コスパでノートに負けるが、+αの魅力を付加してプレミアム感も1ランクアップ。
走りの質や安心感の低下を最小限に抑えたいダウンサイザーに最適だ。
日産ノート・オーラG FOURレザー・エディションのスペック
価格:価格:269万9400円
全長:4045mm
全幅:1735mm
全高:1525mm
ホイールベース:2580mm
車両重量:1370kg
パワートレイン:直列3気筒1198cc+モーター
最高出力:82ps/ 6000rpm
最大トルク:10.5kg/4800rpm