【オプションも検討材料】ポルシェ911(991型) 英国版中古車ガイド オシはカレラS

公開 : 2021.10.26 08:25

四輪駆動やカブリオレ、タルガも

一層ドライバーフォーカスの991をお探しなら、440psの911 GTSがある。さらに3.8Lのツインターボを搭載する911 ターボは540ps、911 ターボSなら580psを発揮した。

馬力に応じてアグレッシブなクルマも選べるが、そのぶん価格も高くなる。希少で特に高価な991型といえば、GT3やGT2 RSになるだろう。

ポルシェ911 カレラS(991型/2011〜2019年/英国仕様)
ポルシェ911 カレラS(991型/2011〜2019年/英国仕様)

また四輪駆動のカレラ4のほか、カブリオレとタルガというボディスタイルも忘れないでおきたい。ボディスタイルの選択は、個人的な好みによるところが大きい。四輪駆動のカレラ4やカレラ4Sは、天候を問わない安定した走りで魅力度も高い。

とはいえ、筆者が選びたいのは後輪駆動のカレラS。これがベターな991型の911だと思う。

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

ECUにアクセスし、過剰に高回転域を多用した走行がないかなど、過去の履歴を確かめたい。フロントのラジエターやエアコン・コンデンサーが、ダメージを受けていないかも観察したい。

トランスミッション

PDKの場合は滑らかに変速し、違和感がないか確認する。ATフルードとフィルターは、定期的に交換されてきたかどうか確かめる。

サスペンション

ポルシェ911 カレラS(991型/2011〜2019年/英国仕様)
ポルシェ911 カレラS(991型/2011〜2019年/英国仕様)

試乗して、ブッシュの劣化を示すキシミ音などに聞き耳を立てる。リア側がヘタってくると、リアタイヤの内側が偏摩耗してくる。PASM装備車の場合はドライブモードを切り替えて、明確に乗り心地などが変化することも確かめる。

ブレーキとタイヤ

ブレーキフルードは、2年毎の交換が推奨。ブレーキディスクはドリルホールから広がる亀裂がないか、しっかり目視する。カーボンセラミック・ブレーキの場合、交換部品は非常に高価。過度に減っていないか確かめたい。

タイヤは残り溝が深い場合は、サイドウォールの製造年を確かめる。5年以上の利用は控えたい。ポルシェだからこそ、認定されたN規格のタイヤを履きたいところ。

電気系統

欧州のポルシェは、ワークショップ・キャンペーンの一部として、チェンジオーバー・バルブ(COV)・ソレノイドの交換を実施しており、対応済みか確認する。この部品はエアクリーナー・フラップや燃料タンクのベントバルブまで、多くの機能を制御している。

知っておくべきこと

911 カレラSのオプションとして、後輪操舵システムが導入されたのが991型から。新車当時は1530ポンドの価格が付いていた。高速域では安定性を向上させつつ、低速域では前輪と後輪が逆位相に切られ、小回りが良くなり駐車を容易にしてくれる。

ポルシェが新車時に設定する3年間の保証期間は多くの991型が切れているはずだが、オリジナル状態といえる911なら、延長保証を付けられる。保証を受けるには、ディーラーでの事前検査が必要となる。

ポルシェ911 カレラS(991型/2011〜2019年/英国仕様)
ポルシェ911 カレラS(991型/2011〜2019年/英国仕様)

装備されていてうれしいオプションとしては、車高の下がるスポーツサスペンションや、スポーツエグゾーストなど。トランスミッションはPDKが欧州でも人気は高い。ただし、今後数年間でマニュアルが見直される可能性はある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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